辻村深月先生の作品の感想を見ていると「〇〇の前に△△を読もう!」とか、「辻村ワールドすごろく」なんて言葉が出てきませんか?
実は辻村深月先生の作品には読む順番、いわゆる「すごろく」があるんです。
この記事では、「辻村ワールドすごろく」について詳しくご紹介します!
「辻村ワールドすごろく」とは?
講談社作品の文庫の帯などで、辻村深月先生の作品を読むときのおすすめ順番が紹介されています。
その名も「辻村ワールドすごろく」。
実は、講談社刊の辻村深月先生の作品は、世界観や登場人物が共通するものが多いんです。
そんな辻村ワールドを存分に楽しむための「すごろく」です!
何回か改訂されているようですが、個人的に一番良いなと思うのがこちら。
刊行順ではないの?
刊行順ではありません!
刊行順との違いはざっくりこんな感じです。
- 初期2作(『冷たい校舎の時は止まる』『子どもたちは夜と遊ぶ』)が後ろに来ている
- 『スロウハイツの神様』が『凍りのくじら』の前に来ている
- 『子どもたちは夜と遊ぶ』が『冷たい校舎の時は止まる』の前に来ている
これらについて、特に公式の見解などが見当たらなかったのですが、おそらくこういう理由と思われます。
- 初期2作はとにかく長く、しかも万人受けしない内容。そこで最初に躓かないように、辻村ワールドにハマっているであろう中盤以降へ
- 『スロウハイツの神様』と『凍りのくじら』はどちらが先でも支障ないので、読後感の良い『スロウハイツの神様』を先頭へ
- 『凍りのくじら』~『ぼくのメジャースプーン』まで、緊迫感がありぐいぐい読ませる作品を並べて飽きさせない
ファンから見てもかなり妥当な内容で、すごく配慮されたリストだと思います。
作品紹介
ここから「辻村ワールドすごろく」の各作品についてご紹介します!
スロウハイツの神様
一つ目から上下巻で少々長いのですが、最後まで読むときっと笑顔になれる作品です。
チヨダ・コーキは辻村ワールドの最重要人物と言っても過言ではないので、要チェックです!
V.T.R
『スロウハイツの神様』の登場人物の一人、作家のチヨダ・コーキのデビュー作という設定の作品。
いつもの辻村深月先生とはかなり作風が異なり、コウちゃんの作品として楽しめます。
完全に独立したスピンオフなので、どのタイミングで読んでも大丈夫だと思います。
公式のすごろくでは、『スロウハイツの神様』とあわせて読むのがおすすめされています。
島はぼくらと
思春期の悩みや葛藤を優しく描いた作品です。
青春小説がお好きな方は、きっと好きになると思います。
『スロウハイツの神様』の環がちょこっと出てきます!
家族シアター
様々な世代の家族を描いた短編集です。
凍りのくじら
こちらも辻村ワールド重要人物の理帆子さん。
実はこのすごろくの順番で行くと、1作目の『スロウハイツの神様』に既にゲスト出演していたんです。
子どもたちは夜と遊ぶ
ここから3作は設定が共通しています。
時系列順に『子どもたちは夜と遊ぶ』→『ぼくのメジャースプーン』→『名前探しの放課後』と読んでいくのがオーソドックスな読み方です。
ぼくのメジャースプーン
名前探しの放課後
私の愛してやまない『名前探しの放課後』はこちらで登場します。
端的に、とても優れた青春小説です。
冷たい校舎の時は止まる
ロードムービー
『冷たい校舎の時は止まる』の登場人物の過去や後日談を描いた短編集です。
本編よりも温かく、読みやすいお話が多いです。
光待つ場所へ
ここまでで出てきた作品のスピンオフ集です。
あのキャラたちにまた会えます!
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』は、他作品から完全に独立した物語です。
おまけ
こちらの公式のすごろくは、作られた時期的に初期の講談社作品だけなので、非公式の「続き」を考えてみました。
ここまで読むとさらに楽しい!な、辻村ワールド作品を入れています。よければぜひ!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
辻村ワールドを楽しむためのすごろく、個人的には「絶対やらないと楽しめない」というものではないと思っています。
詳しくは次の記事で紹介していますので、そちらもよければご覧ください。