米澤穂信先生といえば、ミステリー界隈では知らない人のいない人気作家。でも実はまだ読んだことのないという方もいるのでは?
この記事では、そんな初心者さん向けに、米澤穂信先生のおすすめ作品を目的別でご紹介します!
とりあえず作風を知りたい!
米澤穂信先生といえば「カメレオン作家」と呼ばれることもあるほど、作品によって雰囲気や語り口が異なります。
というわけでかなり迷ったのですが…入門編にぴったりなのはズバリ『Iの悲劇』です!
『Iの悲劇』
米澤穂信先生らしい「苦さ」「軽快な語り口」など、作風をつかみやすい作品です。
また、連作短編集なので読みやすいですよ。
簑石で次々起こるトラブルに主人公の万願寺とともにハラハラし、ページをめくる手が止まりませんでした。
とりあえず代表作を読みたい!
すべてが代表作と言っても過言ではない米澤穂信先生ですが、あえて絞るならやはり<古典部>シリーズしかないでしょう…!
『氷菓』から始まる<古典部>シリーズ
一作目『氷菓』のタイトルでアニメ化・映画化、コミカライズされてきた大人気作。
省エネ主義と言いながら、なんだかんだでお人好しな奉太郎がえると出会って成長していく姿を描いています。
もどかしい恋模様にも注目です。
ちなみに私のイチオシは、なんといっても3作目の『クドリャフカの順番』!
文化祭を舞台に古典部メンバーの群像劇仕様になっており、めちゃくちゃ面白いです。
最初の1作目『氷菓』と2作目『愚者のエンドロール』は初期の作品のため少し雰囲気が違います。
ぜひ3作目まで読んでハマっていただきたいです。
話題作を読みたい!
「このミステリーがすごい!2022」と、2022年直木賞を受賞した『黒牢城』は米澤ファン以外にも広く読まれている話題作。
ぜひチェックしておきたい作品です!!
『黒牢城』
歴史小説ということで敬遠している方も多いかもしれませんが、大丈夫!
読み慣れていないと文章がとっつきにくいところはあるものの、時代小説苦手・日本史苦手(背景知識ゼロ!)な私でも難なく読めましたよ。
また、終盤にかけての展開が非常に米澤穂信先生らしく、「来た来た、これこれこれ!」と米澤ファンの私は大歓喜しました(笑)
意外と読後感も良いので、読んで損はない作品です。
史実に即しているので、歴史ファンの方にも読み応えがあると思います。
特殊設定ミステリが好きな方にはこれ!
米澤穂信先生の持ち味と言えば、個人的にはミステリーへの真摯な向き合い方だと思います。
そんな米澤先生のミステリーを存分に味わえるのが、『折れた竜骨』です。
『折れた竜骨』
魔法が存在する世界でのミステリー。
「魔法があるならなんでもできるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
きちんと「この条件でこういった魔法が発動される」ということが定められているので、最後は魔法の力で万事解決!とはいかないのです。
魔法という制約があるため、アリバイ崩しもいつものミステリーではありえない方法に。
ファンタジーとミステリーを見事に融合させた作品です。
普通のミステリーは飽きてきたな、という方にもおすすめ。
らぶっくのイチオシはこちら!
<小市民>シリーズ
高校生を主人公にしたもうひとつのシリーズです。
<古典部>とは雰囲気が違うので、ぜひこちらも読んでいただきたいです!
主人公のめんどくささはどの米澤作品にも負けないと思います(笑)
小鳩くんと小佐内さんの、恋愛関係でも依存関係でもなく、でも確かな信頼のある「互恵関係」がとっても良いんです!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
ちなみに、米澤穂信先生の作品では、男性主人公は3文字名・女性主人公は3文字姓のルールがあるとか(最近はそうでもないかな?)
そんなところに着目してみても面白いと思います!