『赤髪の白雪姫』何度読んでも最高ですね!
ということで感想を書いていきたいと思います!
ネタバレ注意です!
感想!
白雪がゼンの味方になる、が一貫している
何周目かで気付いたんですが、結構序盤からずーっと白雪は「ゼンの味方になる」ということを言っているんですよね。
ゼンの味方になるために王城にいて、王城にいるために宮廷薬剤師になり、
そして途中で関係が変わって、公にゼンのそばにいるために人脈を築いていく…の流れが、フォスティリアス許可取りの旅に繋がると。
テーマが一貫しているので、最初からずっと読んでいると熱いなぁと思います。
しっかり自分の人脈を築いて、国中に祝福されてゼンと結ばれる白雪の姿が目に浮かぶようです。
きっともう少し。がんばって…!
鳥使い編が熱い!!
そんな白雪たちですが、やはり初期のハイライトは鳥使い編でしょう!
ここから一気に面白くなります。
そこまでは一風変わった王子、「少年」の印象の強いゼン。
ですが、ここで一気に良き為政者っぷり、有能っぷりを出し、おおお!と思わされました。
鳥使いサイドの味方に立ちたいと思う、健全で優しい心。
ただ単に保護するのではなく、国の役に立つものとして尊重するという奇策。
諸方面に気を配る賢さと優しさが素晴らしい。好き。
そしてそんなゼンを支える周りもまた優秀…!
ゼンの人柄がよく出ている一件でした。
「羽音が聞こえん!」のところはさすがの貫禄で、ああ王子なんだなぁとキュン。
ここで白雪の「ゼンの味方でいること」がすごく納得できるというか、それだけの価値のある人だなぁと思わせてくれるんですよね~。
不意に始まる恋
そして鳥使い編から、流れるようにゼンと白雪が両想いに。
ぶっちゃけ一周目のときは、リリアス赴任までゼンと白雪の恋模様に全く興味がなく、ここの部分もほぼ覚えていませんでした…。
自分の適当っぷりにびっくりしました…。
改めて読んでもやはり唐突感があります。
ただ、これは2人がお互いの感情に「恋」という言葉に当てはめたのがこの直前だったからなんだな~、と思ったり。
行間で語るタイプの作品なので、雑に読んでると気持ちの変化が読み取りにくかったのですが、何度か味わって読むうちになんとなくつかめてきました。
これはもう…本当にこういうカップルなのでしょうね。
まっすぐで隠し事なく、そして付かず離れず。
お互いの気持ちを認め合うシーンが素敵でした。泣ける。
白雪が怪我をしたと聞いたときのゼンの表情、オビは「泣きそう」、白雪は「絶対怒ってる」と表現しましたが、個人的には傷ついた顔なのかなぁと。
白雪が不当な扱いを受けたこと、そのせいで怪我をしたこと、守れなかったこと。
全てが辛く腹立たしく、心を痛めていたのだと。
両想い→過去回想の流れが上手い
ところでここの流れ、ちょっと変わってますよね。
心から想いを信じられる人に出会えたことを感謝するゼンの姿が描かれた後に、「信じようとしたけど、騙された」過去の回想が挟まれます。
ラブラブ両想い編がおあずけになり、がっかりした人も多いのでは?(笑)
普通は、先に回想を適当なところで挟み、その後ぱーっと両想いにするのかなと。
その方が流れが理解しやすいですよね。
ただ、そうなると、どうしてもこの話がゼンを主人公としたゼンの話になってしまうと思うんです。
傷ついた少年が心から信じられる最愛の人に巡り合うという。
とても分かりやすいだけに、「ゼン良かったね!!」で読者の気持ちがいっぱいになってしまうだろうなと。
でもこれは、ゼンだけの話ではなくて、白雪もゼンへの気持ちを自覚し、ゼンに並ぶ人間になりたいという、白雪のお話でもあるんですよね。
2人が両想いになったというのが、ゼンは過去との決着で、白雪は未来への決意というか。
ここは2人両方のターニングポイントだと思うんです。
だから、物語の流れとしてちょっともたつくかもしれないのですが、あえてあの回想を後に入れたのかな?と。すごいなぁ。
回想がゼン目線ではなくミツヒデ目線というのも、ゼンだけに感情移入しすぎずな上手い演出。
白雪とゼンの関係について
こちらの記事でもちょっと書いたんですが、やはり白雪とゼンが好きなので、その話をもう少し。
なかなか特殊な距離感のカップルだなぁと思うのですが、とりあえず好きなところを挙げていくと…
白雪に会うとはしゃいでるゼン王子かわいい
両想いになった途端、好意を隠さないゼンがとても愛おしいです。
元からオープンではありましたが…
読者は白雪がいないときのゼンも見ているから分かりますが、白雪といるときは頬が緩みきった可愛い顔してますよねぇ。
ベタ惚れ感はありつつ、でもあからさまにべたべたはせず、素敵な恋人。
さりげなく手繋いできたり、ぎゅってしたり、愛情表現がストレートで良いです。
デート回の幸せ感がえぐい
また、たまに訪れるデート回が尊いの一言。
友達カップルと言えばいいのか、さっぱりした2人の関係がとても良いですよねぇ。
それでいて、あふれんばかりの「しあわせ」が伝わってくるので、キュンキュンします。
ゼンが見合いしても気にしてない白雪かわいい
そして、ゼンの見合い編。
あっさり流していますが、お見合いの話を聞いた日の白雪を想像するとちょっと泣ける…。
「考えても仕方ないし、ゼンから話を聞くまで考えないようにしよう!うん!」てな感じで自分の気持ちに折り合いをつけたのかなぁ。
待望のゼンが来たときの普段通りの様子を見ると、本当にゼンを信頼しているんだなぁと思いました。
気に病まないでほしいけど、気にしてなくてもちょっと嫌なめんどくさいゼン王子も良いですね(笑)
ところで、初読時はスルーしたんですが、後の展開を見るにこれわざわざ白雪に聞こえるようにお見合いの話してた白雪アンチがいるよなぁ(怒)。
そういう目にあっても、さらっと平然とした顔を保っていられる白雪が好きです。
リリアス赴任直前の2人がやはり最高
1周目のときに私が白雪とゼンおおおお!と思ったのは、先に触れたようにリリアス赴任の前夜の描写です。
手を繋ぐでもなく、肩を寄せ合うでもなく、お互いの顔を見てにこにこして話している2人が尊すぎて、突如落ちました。
翌日の出発のときも、他の3人は白雪が抱きしめてもらう形なのに、ゼンだけ白雪が力いっぱい抱きしめているのが良いですよね…!
なんて可愛いカップルなんだ。好き。
ルギリア編の邂逅も好き
ルギリア編序盤の夜会で、エイセツ様に呼び出されて、オビと10秒見つめ合うあのシーン。
完全に目が泳いでいる(それはそれで本当っぽい)白雪ですが、これゼンだったらどうなるんだろ~と思ったら直後にご本人様が登場!これは嬉しかった。
対比なのでしょうか、ゼンとキスしてるときに白雪が目を開けていた描写があって、なるほど好きな人なら近距離でも何秒でも見てられるのねと尊死。
にしても遠恋期間が長すぎるのでなんとかしてほしい…。
他の人たち
話は変わって、他のキャラのこともちょっと。
脇役たちもまた推せるキャラが多いんだよな~~~。
ラジ王子の好感度アップが最高!
初登場時は改心なんて想像できなかったラジ王子。
まさかまさかの…白雪の影響で良き王子になりましたね…最高です。
急にいいやつになるのではなく、ちゃんと残念なところを出しながら、ぐっと成長する姿が描かれていたので納得感もあり、一気に好きになってしまいました。
タンバルン招待編で白雪が連れ去られたときのゼンとのシーンが特に好き!
信頼して情報を共有していなかったことを詫びるゼン、それに対し自分もきちんと謝るラジ王子。
真摯な2人の姿に胸が熱くなりました。
今後しっかりとしたラジ王子の姿を見せていけば、過去の悪評は消えていくことでしょう。
良き王になってほしいです。
王族なのに仲良し、そしてつかず離れずな3人が良い
ウィスタリアファミリーについては、王宮もので家族仲が良いって最高ですよね。
最初にイザナ様とゼンが不仲感出してるじゃないですか…。
「あーお兄様こういうやつね」と思わされるんですけど、徐々に「あれ?これ弟大好きな人では??」となるのが楽しすぎる。
イザナ様はきっと、ゼンがうつけだと思われるのが嫌で嫌で嫌なんですよね。
最初に白雪を排除しようとしたのも分かります。
「異国から連れて帰ってきた身元不明の少女」「しかも美しい」ですからね、客観的に見て確かに問題がありすぎる。
白雪をちょっと認めてくれてからも、自分が後ろ盾になって2人の関係に太鼓判を押すのではなく、白雪に味方を作らせるように動くのが本当に良き王。
結局民衆から受け入れられなければ意味ないですからね…。
ゼンはゼンでお兄様大好きなんですけど、反抗期こじらせてる感じが好き。
そしてそんな2人のお母さまがまた魅力的な方で、息子たちを愛し信頼しているのがよく分かる。
戴冠式の3人が尊すぎるんだよなぁ。
オビの色気が好き
オビのキャラデザって、少女漫画的なイケメンからはかけ離れていると思うのですが、あの三白眼の色気がやばくないですか…!?
戦闘シーンとか、伝説の白雪との10秒とか、黒目が小さい分、視線の動かし方がかっこよすぎて目が離せない…!
好きな人の恋人の命令で好きな人のそばにいるとか地獄だと思うのですが、そういうことを感じさせないところも大人で、見た目も中身も最強にかっこいいなぁと思います。
あと何回見ても82話扉絵(ベルガット編まっただなかの木々さん&オビのやつ)のオビがかっこよすぎてやばい。
木々さんのまさかの婚約
ベルガット編と言えば、その後に木々さんとヒサメさんが婚約するじゃないですか。
全然唐突じゃなく、丁寧にそこまでの経緯が描かれていたとも思うんですけど、一回頭真っ白になりました。
木々さんとミツヒデのくだり、本当にあれで決着だったんだ…。
少女漫画脳なので、なんやかんやあって最終的に納まるところに納まる、という頭がありすぎて、ヒサメさんの求婚を木々さんが受けた瞬間「終わった…」と思いました。もう衝撃すぎて…。
冷静に別に木々さん&ミツヒデさん推しではなく、むしろヒサメさん好きなんですけど、いや、ちょっとこれびっくりしましたね…。
こういう話になるんですね…。
でもまぁ実際木々さん&ヒサメさんかなりお似合いなので、今後が楽しみなのですが…。
リュウの成長が熱いルギリア編!
そしてルギリア編で何気に大活躍したリュウもとても良かった~~。
緊急事態に一人になって、自分でいっぱい動いてなんとかしようとするのがとても愛おしかったです。
旅に出るまでの流れから引き続き「自分にないものを手に入れなきゃ」と焦るリュウも好きですし、それに対しカゲヤさんが「すべてを持たなくていい」と伝えるのも、なんかもう素晴らしい作品だな!!
リュウと白雪の不思議な関係もすごく好きで、普段白雪が明らかに年下のリュウに素直に師事しているのもすごいと思うし好きなんですけど、
ルギリア編で行方知れずになったリュウを見つけたときに、思わずぎゅっと抱きしめる白雪は姉感があって、これはこれでとても良かった。
ベルガット双子好きすぎる…!
長くなったんですが、最後にあの双子についても…。
ベルガット編では何考えてるかよくわかんなくてあまり好感の持てなかった彼らですが、ゼンの懐に入ってからが最高ですね。
ルギリア編で一気に好きになりました。まず顔面がめちゃくちゃ好き(笑)
当主になった兄も、ゼンのもとにいる弟も、それぞれいろんなものを見て成長しているのがいいなぁと。
あと、なんかあるとすぐお互いの存在を気にするのも尊い。
今の堅い感じもなかなか好きなんですけど、ゼンたちの前でもっと素を出せるようになったりするといいなとも思ったり。
これからが楽しみです。
読めば読むほどよく練られた素晴らしい作品
というわけで、今『赤髪の白雪姫』たぶん5~6周したところなんですが、本当にスルメ漫画で読めば読むほど面白いですね。
正直1周目は(自分の読み方も雑だったし)ここまで好きじゃなかったんですけど、何気なく始めた2周目が最高すぎてもう。
思った以上に設定とか、キャラ同士の関係性とかが本当に丁寧に丁寧に組まれていて、読むたびに発見があったり理解が深まってめちゃくちゃ楽しいんですよ。
今1周目で終わってる人、もったいないからぜひもう1周してほしい。
そんな素晴らしい作品です!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ところで、白雪がでかピアスぶらさげてるのめちゃ可愛くて好きなんですが私だけでしょうか。