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【考察】黒崎みのり『初×婚』デステニーと七海学園どうなってるの…?

【初×婚】デステニーとペア決め考察 少女漫画
少女漫画
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黒崎みのり先生の『初×婚』大好きなんですが、ずーーーっとデステニーと七海学園のペア決めの仕組みが気になっていまして…。

自分なりに持っていた解釈に14巻でやや矛盾が生じたので、そのあたりのことをつらつら書いていきたいと思います。

少女漫画にこういうツッコミみたいなのをするのは無粋だと分かっているのですが…。
興味ない方はスルーでお願いします!

えしゃ
えしゃ

14巻の重要なネタバレを含むので、まだの方はご注意を!!

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ペア決めの仕組み変じゃない?

要するに何の話をしたいかというと、入試の成績で入学者を決めた上で、全員に最適なペア決めするの無理じゃない?ということです。

デステニーの仕組み

まず、デステニーの仕組みはたぶんこういう感じですよね。

デステニーの仕組み
デステニーの仕組み
えしゃ
えしゃ

なんかちょっと気持ち悪い図になってしまいました…(^^;)

無数の登録者同士のマッチ率が割り出されて、そこから運命の人を選び出すことになるんですよね、きっと。
それは分かります。

ただ、七海学園ではそうではないですよね…?
たった238人(推薦のあゆかじ除く)の中でペア決めをしなければならなかったはず。
全員に必ず一人ずつ。

ふつうに考えたら、誰とも組めない余り者が出たり、マッチ率が極端に低い「デステニーが選んだ運命の人」とは言い難いペアが出てしまうと思うんですけど…。

13巻までで立てていた仮説

そうならないように、14巻を読むまでは、こういう仕組みなんだろうな、と個人的に理解していました。

まず、入試の成績により、実際の入学者数より多い人数を入学候補者として決め、その中でDNA等のデータから仮のマッチ率を算出する。

そして、その時点で誰とも組めそうにない人は成績が良くても落とす。
逆に、すごく相性の良い人がいる子は、多少成績悪くても入れる。

合格発表後に辞退も出るでしょうから仮決めにはなると思いますが、ある程度ペアの見通しをつけて合格者を決めたのだと思っていました。
(人数も240人っていうキリの良い数になってるけど、実際は定員はかっちり決めず、多少増減してもいい感じだったものと推測)

三郷先生の不正のとき、「春休みの大量の心理テスト」の話が出ていましたが、「DNAなどのデータもあるからマッチ率が短期間で変動することは考えにくい」とも言っていたので、
心理テストはあくまで最終調整程度だったんだろうな、うん。と思っていたんです。

なんなら、初ちゃんとか羽生ちゃんとか入試成績下位の子は、成績上位者と相性が良かったから、彼らのパートナー枠で合格したとすら思っていました。

14巻の爆弾

しかし、14巻で紺くんがとんでもないことを…。

「入学前にデステニーをいじって、自分のペアだけ一番相性が悪い子になるようにした」と。
えー!

14巻の感想に書いているのでこの事実についての感想は割愛しますが、こうなると、少なくとも初ちゃんが紺くんのパートナー候補として合格した説は却下。

また、合格者を決める前にある程度のマッチ率を出していたとしたら、そこから大幅に変動したらさすがに学園側も気付く…よな…。
まさか本気で合格者決めてから初めてマッチ率出した…?

ってことは…、余り者が出てしまうのは織り込み済みで、あえてデステニーが選んでないペアを作って、比較対照群としていたということなのかな…。

デステニーが選んだペアの方が実際に交際に至る率が高い、みたいなデータが取れれば、デステニーの有用性を示せますもんね。

その場合、プラシーボ効果も加味して、本人たちには「デステニーで選ばれた」と思わせている感じですかねー。
となると読者には観測できないから、この説を否定はできないけど…。

デステニーの実験としては合理的なんですけど、七海学園には「ゴールデンカップルを選ぶ」という役割もあるわけで。
比較対照群はほぼ無理なゴールデンカップル争いに参加させられたことになり、ちょっと可哀想じゃないかなって…。

三郷先生事件も謎…

また、部分最適か全体最適かみたいな問題もあって…。

素直にマッチ率が高いペアから組んでいくと、マッチ率が高いペアと低いペアの差が大きくなっちゃいますよね。

下の図で言うと、CとDはそれぞれAとBの方が相性が良いですが、AとBにはさらに相性の良い相手がいるため、マッチ率微妙なCとD同士で組むことになっちゃいます。

マッチ率が高いペアから決めちゃう
マッチ率が高いペアから決めちゃう

逆に全員が70%以上の人と組めるように…とかって考えると、AとBは本当はもっと相性が良い相手がいるのに、ちょっと下がる人と組むことになったり。

全員がそこそこ
全員がそこそこ
えしゃ
えしゃ

合格発表前に仮決め説をとれば、「じゃあCとDは落としとくか」ってできそうなんですが

どちらの考え方でも自分にとって最適な人と組むことになるとは限らないということ。

だから、三郷先生事件のときの、「現ペアのマッチ率97%、入れ替えたら100%。入れ替えた方がマッチ率高いですね!」っていうのは、そんな大騒ぎするほどのことだろうか…と思っちゃって。

そもそもマッチ率100%っていうのも、あれだけいろいろデータ取っておいて100%ってありえないんじゃいの?とも思うし、
パートナー組むべきペアを便宜上100%と表示するってことなのかなぁ。

となると、全ペア基本100%だから、「これはまずい」ってなってたということ?うーん…。

そもそも入れ替える意味が分からない…

仮にどうにかして各自に一番マッチ率が高い相手を組ませることができていたとして、一度組んだペアを入れ替える意味が分からなくて。

入学後も継続的にマッチ率を計測しているのは分かるんです。
デステニーの精度をはかるために必要なことだと思います。

でも、入学から半年以上たってから、マッチ率が変わったからっていちいちペアを入れ替えようと提案するのはよく分からない。

推薦組やトレード制度もあるのだから、デステニーがおすすめしてないペアがいても問題ないんだし…。

実際のデステニーだって、「やっぱり違いました!入れ替えましょう!」なんて言えないだろうし、数字に振り回されるのは「愛を育んでほしい」という学園長の想いともそぐわないよね…?

えしゃ
えしゃ

赤ん坊の取り違いじゃあるまいし、そこを白黒つける必要なくない?

というかそれも含めてデステニーの研究だと思うので、ペア入れ替えて軌道修正したらダメじゃん、とも。

(余談)ういこんとにからん

余談ですが、三郷先生の一件を見ていると、初ちゃんと虹叶くん、紺くんと嵐ちゃんは元々それなりに相性が良いのだろうなーとは思います。

三郷先生が入れ替え先ににからんペアを選んだの、虹叶くんが初ちゃんを好きというのもあるだろうけど、入れ替えが起きてもおかしくない程度に双方の相性が良かったということだと思うので。

えしゃ
えしゃ

紺くんと嵐ちゃんが組んでいたら、超有能ペアなのは想像できる。でも恋にはならない。

紺くんがシステムいじらなければ、初ちゃんは本当に虹叶くんとペアになってたのかもなー。
これこそ運命のいたずら。

伊刈・多幸ペアをどう見るか

あと、他に気になるのは伊刈・多幸ペアのこと。

最初に出てきたときには(2年学園祭の認識)、てっきりトレードで発生したカップルだと思っていたのですが、
13巻で伊刈さんが「同性婚を知ってもらうために七海学園に来た」と言っていたので「んんん」となっています。

てことは、少なくとも伊刈さんの方は入学前から同性婚志向だったわけで、男子とペアになるのは本意でないはず…。

もちろんそのへんの配慮はしてくれる学園長だとは思うのですが、そのためには女子と組んでもいい女子がいないといけない。

そして、男女同数ではなく、初めから男女ペア119組・女子ペア1組となるように、男子119人・女子121人入学させないといけないわけですよね。

これ、やはり入学前にペアを仮決めしないと無理なのでは…?

とはいえ、じゃあその同性婚志向の女子が、受験者の中に何人いるのかという話もあり。

限られた中で相性の良いペアを決めるのも厳しい感じがするので、「とりあえず男子と組んでみて、気になる子がいたらトレード申請してみては?」っていう感じで入学したのかなぁ。

てことで、いったんは男子と組ませるのが無難…?
よって事前にペア決めしてなくてもいける…?

でも相手の男子は、恋愛に発展する気のない子と組むことになっちゃうわけで、ちょっと可哀想では…うーーーん…。

(余談)伊刈・多幸ペアの今後…

余談ですが(余談が多い)、そもそも同性婚志向の子をなぜ入学させたのかも気にかかるところ。
多様性配慮の対外アピールなのか、そんなことは愛の前には小さな問題ということなのか…。

とはいえ、好奇の目にさらされる可能性が高いわけで、それが彼女(たち)にとって幸せなことなのか、ちょっと疑問です。
多感な時期ですし…目立ったせいで、いらん嫌な思いをすることもあるだろうに…。

幸い結婚科・普通科ともに良い子ばかりで、今のところトラウマな出来事は起きていないようですが、ゴールデンカップルになって世間のさらし者になるのが2人にとって本当に良いのか…っていうのは、個人的には結構心配しているところです。

まぁ、これまで読んできて信頼しかないので、きっとそのへんも踏まえた掘り下げが行われるんだろうなぁと思って楽しみにもしています。

デステニーいじったって何?笑

ところで紺くんのデステニーいじったって本当にどうやったんでしょう…。

システムをいじること自体はできるんだろうなと思うけど(門外漢なのでよく分からんですが)、その前にセキュリティ関係をどうやってくぐり抜けたのか…。
セブンオーシャンって世界的なIT企業なんですよね?無理では…?

ここまでくると、ちょっとプログラミングが得意とかのレベルではなく、もはやハッカーですよね(笑)

あと、デステニーのマッチ率計測が継続して行われていることを考えると、そのいじったプログラムはそのままデステニーに残しているわけですよね。
入学後に急に初ちゃんとのマッチ率が下がっていたら変ですから。

鮫上父もたぶんその痕跡を見つけたということなんだろうし。

でも、入学前の一瞬だけいじるならともかく、継続的に整合が取れるようにするにはそれなりに複雑な条件が必要なはず…。

そんな変な記述があったらふつうにバレるのでは?

例えば、三郷先生の不正のとき。
紺くんの仕込んでた不正とバッティングしててもおかしくないですよね。

三郷先生はプログラムはいじらずに、表に出てくるマッチ率だけ上書きしたってことなのかな…。
でないと、先に変なプログラムが入ってるから狙った通りのマッチ率にいじれなそう。

紺くん、「バレない自信があった」とか言ってるけど、三郷先生の一件のときはかなり肝を冷やしていたんじゃないでしょうか。
本当に顔に出ないヒーローですよね。

おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

あの、誤解のないように、冒頭で「少女漫画にこんなこと言うの無粋」って書いたんですが、「少女漫画なんかそんなことまで考えてないでしょ」ということが言いたいわけではありません。
(私は少女漫画大好きオタクです)

結果的にそういうことになっちゃうかもしれないですが、少女漫画の本分は読者をときめかせることであり、そのためなら多少の無理や矛盾は気にしてはいけないと思うんです。

整合性ばかり気にして小さくまとまった作品より、多少おかしいところがあっても胸が熱くなる作品の方が良いに決まってますから。
そういう意味でういこんは満点!

ただ、ういこんって設定が本当によく練られているので、自分がミステリー好きなのもあって、細かいとこが気になって…。
てな感じでちみちみと書いた記事でした。

揚げ足取りのつもりは全くないのですが、もし不快な方がいらしたらごめんなさい。

プロフィール
えしゃ

えしゃ(@shallot0147)と申します!
・ラブコメ好き。少女漫画とラノベが大好きです!
・雑食&乱読
・好きなジャンル:ラブコメ、広義のミステリー、ローファンタジーなどなど
・愛読書:辻村深月『名前探しの放課後』
・推しキャラ:佐藤こはる(塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い)

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