少年たちの強い想いが複雑に絡み合う、タイムリープものの名作!
『君と時計と嘘の塔』シリーズの魅力をネタバレなしでお伝えします。
記事の最後には『君と時計と噓の塔』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『君と時計と嘘の塔』とは?
2巻以降、『君と時計と~』以降のタイトルが変わります。
(嘘の塔→ 塔の雨→ 雨の雛→ 雛の嘘 でタイトルが一周する全4巻)
各巻でオチがつくわけではなく、シリーズ全4巻というよりは、ひとつの物語を分冊した上下巻的な感じなので、一気読みがおすすめです!
あらすじ
主人公の綜士は、大切な人の死をきっかけにタイムリープしてしまい、大切な人を救うまでに何回も同じ時間を繰り返してしまいます。
こんな人におすすめ
無料で試し読み!
『君と時計と噓の塔』のここが好き
『君と時計と噓の塔』はどこまでも純粋なラブストーリーである
タイムリープものであることが注目されがちだと思いますが、『君と時計と噓の塔』は何よりもラブストーリーだと個人的には思います。
それも、めちゃくちゃ重たいやつ…
主人公の綜士は、過去に自分の身勝手で陥れた芹愛(せりあ)に想いを寄せています。
自らの罪への後悔から、自分自身や芹愛への想いを肯定的にとらえられない綜士がもう…痛々しくて見ていられません。
心理描写がリアルで、読者もえぐられます…
前半は綜士がクズすぎてきついのですが、タイムリープを繰り返すうちに強くなった綜士が個人的には好きです。
綜士が最終的に何を選ぶのか、目が離せなくなります。
不純愛とは少し違いますが、後ろ暗いところのある恋とか、重い愛とか、そういったワードに引っかかる方は好きなのではないかなと思います!
無駄なく組まれた美しいストーリー
そしてもちろん、『君と時計と噓の塔』はタイムリープものとしてものすごく優れた作品です!
大切な人を失うたびに過去に戻るというシステムなですが、各周回で各登場人物が「大切な人を守るために、何を考え何をしたのか」が無駄なく組まれていて、感嘆の一言。
複雑なストーリーではありますが、説明は比較的丁寧でわかりやすいので、タイムリープものが好きなら絶対楽しめると思います!
クライマックスが何度も来る!
大切な人の死を止められず、何度もタイムリープを繰り返し、ループ状態に。
運命の日を何度も迎え、だから感情持っていかれる「クライマックス」も何度も訪れるんです!
一つの作品でこんなに何度も盛り上がりが来るなんて…お得…!
1巻である「嘘の塔」からもうハラハラドキドキ、ぐいぐい引き込まれて読むのをやめられなくなる、危険な作品でもあります(笑)
読み終わるまでやめられなくなるので、夜読み始めるのはやめましょう…
切ない、けれど優しい物語
『君と時計と噓の塔』は、ジャンル的にはひょっとしたらサスペンスにあたるのかもしれませんが…
個人的には、すごく優しい物語だと思います。
シンプルにとらえると、それぞれのキャラクターが、大切な人のために頑張るお話です。
物語が始まったときには想像もつかないようなところに着地するところも、すごく良いなぁと思います。
もちろん、単なるハッピーエンドではなく、切ない物語ではあるのですが…
どちらかというと、後味の良いお話が好きな方におすすめしたいです。
ネタバレ感想
ネタバレに配慮していない感想をこちらの記事で書いています!
良ければ読了後にどうぞ。
また、解説記事も書いています。
読了後の復習に役立てばうれしいです!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
『君と時計と噓の塔』は何回読んでもハラハラドキドキ楽しめる、コスパ最高(?)な作品なので、ぜひ一度手に取ってもらえたらと思います!
『君と時計と嘘の塔』の次に読むなら!
『君と時計と嘘の塔』が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
綾崎隼『ぼくらに嘘がひとつだけ』
同じ綾崎隼先生の描く、切ない家族愛…!こちらもおすすめです!
高畑京一郎『タイム・リープ あしたはきのう』
時間パズルにテンション上がる人は、タイムリープものの傑作『タイム・リープ あしたはきのう』もぜひ
くまがい杏子『片翼のラビリンス』
少女漫画大丈夫な方ならこちらがイチオシ。
テーマがよく似ており、こちらもかなりしんどいです。騙されたと思って読んでみて…!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!