人が死なない、だけどビターな「日常の謎」系ミステリー<小市民>シリーズの魅力をネタバレなしでお伝えします!
最後に<小市民>シリーズが好きな方におすすめの作品も紹介しています。
米澤穂信<小市民>シリーズとは
あらすじ
こんな人におすすめ
無料で試し読み!
<小市民>シリーズは、高校生を主役にした米澤穂信先生の青春ミステリです。
過去のトラウマから「小市民」を目指す小鳩くんと小佐内さんの日常と事件を描いています。
スイーツ狂の小佐内さんにちなみ、作品タイトルにはお菓子の名前が使われています。
<小市民>シリーズのここが魅力!
小鳩くんと小佐内さんの特殊な関係
行動を共にすることの多い小鳩くんと小佐内さん。
高校の合格祝いにホットココアを飲みに行き、放課後は揃って本屋で立ち読み。
あたかも普通の高校生カップルのようですが、2人は恋愛関係にあらず。
その名も「互恵関係」を結んでいます。
過去のトラウマから、万一の際にトラブル回避のためにお互いを利用することに決めているのです。
この説明からも分かる通り、主人公2人はめんどくさいタイプです(笑)
恋の予感が全くしない、2人のさっぱりとした関係が新しくて面白い!
カップルだけどカップルじゃない、そんな2人が気になって仕方なくなります。
美味しそうなスイーツ♡
スイーツ狂女子・小佐内さんによるスイーツ講義も<小市民>シリーズの魅力の一つ。
読んだ後は必ず甘いものが欲しくなります。
特に小鳩くんの一押し「シャルロット」は絶対食べてみたくなりますよ。
作品ごとに違った魅力
<小市民>シリーズには決まった「型」のようなものはなく、既刊4巻すべてが異なる魅力を持つので飽きません!
1.春期限定いちごタルト事件
小鳩くんと小佐内さんの周りで起きる「日常の謎」を扱った連作短編集。
シリーズ全体では導入にあたるので、軽めで読みやすいです。
短編集だと物足りないという方は、ここからが面白いのでぜひ次の『夏期限定トロピカルパフェ事件』まで読んでほしいです!
2.夏期限定トロピカルパフェ事件
小佐内さんの不可解な行動に振り回される小鳩くんの夏を描いた長編。
彼女の真意が明かされるとき、二人の関係にも変化が。
<小市民>シリーズの本領発揮、ほろ苦い読後感の作品です。
3.秋期限定栗きんとん事件
市内で起きる連続放火事件を、小鳩くんと新キャラの瓜野くんの視点から描いたシリーズ最長編。
今まで小佐内さんに振り回されていた印象の小鳩くんですが、『秋期限定栗きんとん事件』ではそんな小鳩くんの本気に痺れます。
読み心地はほろ苦を通り越してかなりビターです。
4.巴里マカロンの謎
時系列的には春期と夏期の間にあたり、箸休め的な短編集です。
本編の内容とはあまり関係しないので、こちらから読んでもOK。
日常の謎が好きな方にオススメです。
後から出版されたので最後に読んで大丈夫ですが、時系列的には『春期限定いちごタルト事件』と『夏期限定トロピカルパフェ事件』の間のお話です。
ネタバレあり感想
ネタバレに配慮していない感想は、こちらの記事で書きました!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
それぞれ異なる魅力を持った<小市民>シリーズですが、私は3作目の『秋季限定栗きんとん事件』が特に好きです!
ビターな展開が癖になり、何度読んでも飽きません。
読みやすいシリーズなので、ぜひ3作目までは読んでいただきたいなと思います!!
<小市民>シリーズの次に読むなら!
小市民シリーズが気に入った人は、こちらの作品もおすすめです!
米澤穂信『犬はどこだ』
同じ米澤穂信先生の『犬はどこだ』は、挫折した大人が主人公の作品。
苦さ増しましのミステリーです。
浅倉秋成『六人の噓つきな大学生』
嘘つきヒロインの次は、タイトルからズバリ「嘘」がテーマの『六人の噓つきな大学生』を!
あなたもきっと騙されます。
他にも米澤穂信先生の作品を読んでみたい!という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。