「このライトノベルがすごい!」で殿堂入りした人気ラノベ、裕夢先生の『千歳くんはラムネ瓶のなか』(通称「チラムネ」)!
とにかく大人気なので、名前は聞いたことがあるという方も多いのでは?
今回はそんな「チラムネ」の魅力をネタバレなしでご紹介します!
記事の最後には「チラムネ」が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『千歳くんはラムネ瓶のなか』とは?
あらすじ
いわゆる「冴えない主人公」「非リア」の話ではなく、ばちばちに冴えているハイパーリア充のお話です。
こう聞くとイラっとする方もいるかもしれませんが、作中でも言及されている通り、ほんとのリア充はカーストとか気にしてない純粋にいいやつ。
非リアへのマウントなどはなく、シンプルにストーリーを楽しめると思います!
こんな人におすすめ
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「チラムネ」のここが魅力!
主人公・千歳朔が人としてイケメンすぎる。そりゃモテるわ
ラノベといえば、冴えない主人公がなぜかモテまくるのが定石ですが、「チラムネ」の主人公・千歳朔はそこから大きく外れたキャラです。
なんといってもいいやつ。ほんとにいいやつ。
もちろん顔面もイケメンという設定ですが、それ以上に内面がイケメンなんですよ。
底抜けにお人好しで、困っている人がいたら放っておかない。全力で助ける。
でも、ちょっとドライでシニカルなところもあって、たぶん自分で自分をいいやつとはあまり思っていない。
千歳朔は、そんな人です。そりゃモテるわ…。
朔がいいやつだから、周りに集まるのもみんないいやつ。
自分より他人を優先するようないい子ばかりで、本当に心の底から幸せを願えます。
鈍感系主人公ならぬ敏感系主人公
ラノベの主人公と言えば、これまた定石なのが、鈍感系主人公・難聴系主人公。
「ん?なんて言ったんだ?」「どういう意味だろう」など、読者から見ると白々しいモノローグがよく挟まれますが、チラムネの主人公は全然そんなことはしません。
言うなれば敏感系主人公。
周囲の人の変化を見逃さず、とにかく聡い。
ラノベに限らず、鈍感系主人公がなぜ多いかと言えば、主人公が聡いと話がさっさと進みすぎてしまうからだと思います。
それに対し、周りが見えすぎている朔の恋模様は…、見えている。けど、どうすればいいのか分からない。
普通のラブコメとは一味違う展開に胸がきゅっと締め付けられます。
メインヒロイン交代制。全員と誠実に向き合う朔が最強
ヒロインが複数おり、各巻ごとにメインヒロインが変わる構成です。
朔の各メインヒロインとの向き合い方が毎回最高…。
そりゃ惚れるわ、って話です。
5・6巻の仕掛けがすごいのでお楽しみに
1~4巻は、朔+メインヒロインで進行していくのですが、5巻でそれががらっと変わります。
私は正直戸惑ったのですが、5巻のラスト、そして6巻での回収が圧巻で、読み終わるころには「これ神回だわ!!」とあっさり意見を変えていました(笑)
裕夢先生も何かのインタビューで、あえていつものパターンを外した、というニュアンスのことをおっしゃっていたのですが、ワンパターン化を避けられる上に作品の深みも増すという、もう大正解な構成です。
ぜひ6巻まで読んで痺れてほしいなと思います!
万人受けする作品ではないと思います
超人気作の「チラムネ」ですが、個人的には万人受けする作品ではないなーと思うので、合わなそうな方は無理に読まなくても…と思います。
万人受けしない点としては、以下の2点です。
気障なセリフ回し、モノローグ
読書好きの朔は、ネタ半分で気障なセリフを言いまくるという設定なので、苦手な人は苦手かも。
また、ヒロイン勢含め、モノローグが結構ポエミーなので、合わない人は結構読み通すのがきつそう…。
ラノベというか、昔の小林深雪先生の少女小説を彷彿とさせる感じなんですよね。
男子より女子受けかも。
響かない人には何が面白いのか分からないタイプの作品
好き嫌いが分かれる、というよりは、合わない人には「これ何が面白いんだろう?」「そんな人気になるほど?」と感じさせるような作品だと思います。
これは、「チラムネ」がぐわっと盛り上がりがあって、きれいに落ちて、という作品ではないから。
読んでいる最中よりも、読み終わってからじわ~っと心に広がって、後から何度も頭に思い浮かんできて、「あ~~これ好きだな~!!」ってなる作品なんです。
だから、分かりやすい起承転結を求めるタイプの方にはあまり良さが伝わらないかも…。
おわりに
ちなみに、個人的には夕湖ちゃん推しだけど、朔とくっついてほしいのは陽ちゃんって感じ。陽ちゃん巻の4巻は本当に最高に熱いです。
「チラムネ」の次に読むなら!
「チラムネ」が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
雨宮和希『灰原くんの強くて青春ニューゲーム』
おそらくチラムネ好きの人の大半が好きなのではないか…と勝手に思っているのがこちら。
タイムリープして高校生活やり直す系ですが、こちらもなかなか複雑な人間関係です。
宮入裕昂『スカートのなかのひみつ。』
タイトルがアレですが、まじでアレな作品ではないので、騙されたと思って一度読んでほしいのが『スカートのなかのひみつ。』
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
6.5巻は短編集ですが、番外編というより本編の一部な感じなので、読んでおくのがオススメです!
コミカライズもあります!