業界の裏側がやばすぎる…! 暗くて熱い音楽業界漫画、『カノジョは噓を愛しすぎてる』(通称「カノ嘘」)の魅力をネタバレなしでご紹介します!
記事の最後には「カノ嘘」が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『カノジョは噓を愛しすぎてる』とは?
あらすじ
こんな人におすすめ
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「カノ嘘」のここがすごい
音楽業界の裏側がリアルすぎる
理子の歌声を見込まれ、幼馴染み3人組で「MUSH&Co.」としてデビューすることに。
少女漫画らしいシンデレラストーリー…と思いきや、楽器は下手なので弾かせてもらえない、音楽番組では口パク強要など、理子たちを待っていたのはあまりにもシビアな現実。
少女漫画でよくある「私がスカウト!? いきなりMステデビュー!?」といった展開が、いかにありえないかがよく分かります。
とは言え、こういった展開はファンタジーとしての少女漫画の醍醐味なのですが。
「カノ嘘」はそれとはまったく違うんです。
リアルすぎる業界事情に胸が苦しくなりますが、ページをめくる手を止めることができません。
それでも努力を続けるアーティストたちに心打たれる
そんなシビアな現実の中で、アーティストたちが努力を続ける姿に勇気づけられます。
どうせ弾かせてもらえないからいいや、ではなくて、それでも自分で弾けるように努力をする。
報われないかもしれない、何の意味もないかもしれない、それでも努力をするっていうのがすごく良いなと思います。
残酷な現実の前に無力な人間、というだけで終わらないところがすごく素敵。
ただただ歌うのが好きなリコが最高
理子はとにかく単純で、歌ってさえいればご機嫌というタイプ。…に見えますが、本当は周囲をよく見ていて本質を見抜く力がある、賢い子だと思います。
音楽業界の現実に対し、頭できちんと理解している賢い部分と、それでも嫌だと抵抗できる子どもな部分をあわせ持っているのがすごく魅力的なキャラクター。
そんな理子のMステデビュー回が本当に最高なので、音楽好きの人にぜひ読んでほしい…!
アキと理子の不思議な恋
アキの気まぐれと理子の一目惚れで事故的に始まった2人の恋。
お互い音楽関係のことを隠した状態からスタートし、年の差もあるので普通の彼氏彼女とは違う、独特の距離感になります。
最初は理子のことをなんとも思っていなかったアキですが、割と早い段階で理子に惹かれる様子が見られます。
でも、と思えば子どものようにすれ違ったり、この恋がどこに向かっていくのか全く読めずハラハラさせられます。
モブの絵柄が違うのが残念…
めちゃくちゃ面白い『カノ嘘』ですが、ひとつだけ残念なのはモブの絵柄が全く違うことですね…。
漫画にすごいこだわりがある方ではないので、通行人やクラスメイト(背景)を別の方が描かれていても気にしませんし、絵柄が似ているアシスタントさんがモブを描くのも全然気にならないのですが…
『カノ嘘』の場合は、台詞のあるモブを全然違う絵柄で描いているのでちょっと違和感があります。
あまり可愛くないという設定の悪役女子がいるのですが、重要キャラのため青木先生が作画されているので、正直美少女にしか見えません(笑)
ただ、その代わり青木先生が作画されているキャラは全く作画の乱れが見られません。
画面の隅々までハイクオリティなんです。
連載ペースとクオリティを両立させるために仕方なかったのかなぁ…とは思うのですが、少々読みづらいので残念ですね。
気にならない人は全然気にならないと思います。
おわりに
『カノ嘘』はどちらからと言うとスロースタートな作品かな、と思います。
最初の方は情報が小出しで何が起きてるかよく分からないと思うのですが、とりあえず3巻くらいまで読んでいただくとめちゃくちゃ面白くなります…!
そこから一気読み必至なので、ぜひお休みの日のお供に!
また、実写映画でリコ役を務めた大原櫻子さんが歌う「明日も」が最高なので、ぜひ漫画を読みながら聞いてほしいです。
レコード大賞新人賞をとったときの演奏がリアル理子で震えました。
「カノ嘘」の次に読むなら!
「カノ嘘」が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
羽海野チカ『3月のライオン』
熱いと言えば『3月のライオン』も相当なもの。実は舞台(モデル)も同じ地なんです!
斉木久美子『かげきしょうじょ!!』
こちらも芸能ものでなかなかシビア。ただし女子高ものの側面もあり、未来ある少女たちの明るさには救われます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
1・2巻同時発売のときの、「今度の青木はロックだ!!」の帯がめちゃくちゃかっこよくて、当時すんごい好きでしたー