飛沫感染で世界を救う？伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』の魅力をネタバレなしでお伝えします！
最後に『ペッパーズ・ゴースト』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『ペッパーズ・ゴースト』とは？
あらすじ
中学校教師の壇先生は、飛沫を浴びた相手が翌日見る光景が短時間見える＜先行上映＞能力の持ち主。ある日、教え子が大事故に巻き込まれるシーンを見てしまい…!？
こんな人におすすめ
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『ペッパーズ・ゴースト』のここが面白い！
積極的に飛沫感染しに行く壇先生
能力を発動するため、カラオケで歌ったり間接キスしたり、壇先生は積極的に飛沫を浴びに行きます(笑)
壇先生もやりたくてやっているわけではなく、背に腹は変えられぬという気持ちでやっているのですが、その必死さとやっている行動の間抜けさのギャップがちょっと面白い。
コロナ禍を受けて、こんなアイデアを思い付くのは伊坂幸太郎先生だけではないでしょうか。
不謹慎かもしれませんがすごく笑えました。
正体不明のネコジゴハンター
過去に猫の虐待に加担した人々に苛烈な制裁を与えてまわっている「ネコジゴハンター」。
超悲観的なロシアンブル、楽観的なアメショーの「ネコジゴハンター」２人組のエピソードが壇先生の生徒の創作として物語に挟まれます。
最初は何の話かよく分からないのですが、徐々にある事件とつながっていきます。
その方法があまりにアクロバットでびっくり。「どういうこと？？」と混乱したまま、ぐいぐい読ませられます。
ほんの少し希望のあるラスト
ネタバレになるので具体的には言いませんが…
『ペッパーズ・ゴースト』は、何人も被害者が出た悲惨なテロ事件をテーマとした、比較的重たいお話です。
しかし、ラストはわずかに希望が見えるような、見えないような、そんな終わり方をしています。個人的にはかなり好み。
読後感の良い作品がお好きな方におすすめです。
おわりに
最後まで読んでくださってありがとうございました！
『ペッパーズ・ゴースト』は、伊坂幸太郎先生らしい軽快な語り口で重たいテーマを描ききった快作です！
割と伊坂先生らしい作品だと思うので、最近伊坂作品読んでないなーという方もぜひ！
『ペッパーズ・ゴースト』の次に読むなら！
『ペッパーズ・ゴースト』が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
伊坂幸太郎『AX』
脱力系ストーリーが好きな方には、同じ伊坂幸太郎先生の『AX』がおすすめです！
超恐妻系殺し屋の穏やかならざる日々を描きます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました！！
