前の記事で「辻村ワールドすごろく」についてご紹介しました。
この「辻村ワールドすごろく」…確かにこの順で読むとすっごく楽しいと思います。
でも、感想などで「◯◯の前に△△を読みましょう」と書かれていることがあまりに多い気がして。
個人的にちょっと気になったので、「順番気にしなくても大丈夫だよ!」ということを伝えたくて記事にしました。
- 最初に読んだのは『本日は大安なり』
- その後、『太陽の坐る場所』『光待つ場所へ』『名前探しの放課後』と進み、どはまり。
- 気になるものから手を付ける形で全作読破
- そして「辻村ワールドすごろく」の存在を知る(!)
- その後も最新作は必ずチェック!
「辻村ワールドすごろく」とは?
公式のすごろく順番
何回か改訂されているようですが、個人的に一番良いと思うものはこちら。
- スロウハイツの神様
- V.T.R ※スピンオフ
- 島はぼくらと
- 家族シアター
- 凍りのくじら
- 子どもたちは夜と遊ぶ
- ぼくのメジャースプーン
- 名前探しの放課後
- 冷たい校舎の時は止まる
- ロードムービー
- 光待つ場所へ
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
なぜおすすめ順があるのか?
辻村ワールドの世界観や登場人物が相互にリンクし合っているからです。
それらを存分に楽しむための順番が、先に紹介した「すごろく」です。
確かに、全作読破した私から見ても、この順番で読めば間違いないな、と思います。
単純に刊行順で読むよりも、読みやすく配慮された内容だと思います。
でも、すごろくしなくてもいいと思うんです
ではなぜ、水を差すようなことを言うのか。
それはもう、シンプルに…途中で挫折しちゃわない?と思うから。
えぐい作品が含まれる
辻村深月先生の作風はかなり幅広く、万人受けしないであろうエグい作品・グロい作品も多いです。
かく言う私も、グロい作品は苦手。
申し訳ないのですが、たぶん「辻村ワールドすごろく」の通りに進んでいたら、全作読むことはなかったんじゃないかな、と…。
読む順番が指定されていなければ、好きそうなものだけ読めばいいので、途中で挫折する可能性が低いと思うんです!
作品数が多い
すごろくの全作品を網羅すると、スピンオフ含めて12作、上下巻の作品が多いので、文庫冊数に直すと約15冊…ちょっと多いですよね。
もちろん、ハマってしまえばすぐに読める量ではあると思います。
ただ、私も読書量が多い方ではないので、読み始める前にこのリストを見ていたら、怖じ気づいて辻村深月作品に挑戦できなかったかもなー…と。
すごろく無視して進んだけど楽しかった!
無知な私はすごろくの存在を知らず、順番を無視して面白そうなものから読んでいきました。
勘の鈍いタイプの読者だということもあると思いますが…大きな支障はなかったですし、十分楽しめましたよ!
こんな読み方があってもいいのではないでしょうか…!?
ものすごく個人的なはなし
すごろくをしない読み方をおすすめする根底には、愛してやまない『名前探しの放課後』があります。
下調べしないタイプの人間なので、すごろくや読む順番を知らずに序盤でたどり着き、ドはまりしました。
本のページが擦れてくるほど繰り返し読み、今でも一番大好きな、本当に本当に大切な作品です。
ただこれ、素直にすごろくに従っていたら、おそらく7冊目の『名前探しの放課後』にたどり着く前に挫折していたと思うんですよね…。
(個人的に4~6作目の流れがきつい…)
それに、読みたい作品が目の前にあるのに、何冊も予習本があるのってちょっと面倒に感じませんか?
それでハードルが上がって読むの自体をやめてしまうくらいなら、順番なんて無視して好きなものから読み始めてしまえばいいんですよ!
すみません、つい熱くなってしまいました。
愛する『名前探しの放課後』がいまいち有名にならないのが、「先に『ぼくのメジャースプーン』を読んでから!」という感想を見て面倒に思う方が多いからではないか…と常々思っていまして。
そういう風に感じで避けている方がいたら、ぜひ気にせず読んでみてほしいんです。
ちなみに、「ぼくメジャ」飛ばして『名前探しの放課後』読もうかな、という方へ。
読んでも読まなくても大丈夫な『名前探しの放課後』解説記事がありますので、よければ読了後に見てみてください
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
繰り返しになりますが、この記事で伝えたいのは、「挫折するくらいなら順番気にしないでも大丈夫!」ということです。
「辻村ワールドすごろく」や、すごろくを楽しんでいる方を否定する気持ちは全くありません!
興味のある方は、ぜひ「すごろく」楽しんでくださいね~!
ぶっちゃけ、『名前探しの放課後』さえ読んでもらえれば、過程は何でも構いません(笑)