【これ好き！】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』のここがおすすめ

ちょっと（かなり）ズレてる女の子が我が道を行く！『成瀬は天下を取りにいく』の魅力をネタバレなしで紹介します。
記事の最後には『成瀬は天下を取りにいく』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。

『成瀬は天下を取りにいく』とは？

『成瀬は天下を取りにいく』のここが好き！

我が道を行く…けど鼻にかけない成瀬

この作品の軸となる成瀬あかりさん、とても変わった女の子です。

地元の西武が閉店すると聞いたら毎日通い詰めてTV中継に映りこもうとしたり、と思ったら突然お笑いをやってみたくなったり。

これ！と決めたことがあると一直線に進みます。

しかし、彼女はそれを人に押し付けません。

「私はこうするからあなたもやるべき」的な押し付け、「私は他の人がやらないことをしていてすごい」的なマウントを一切しないです。
そこが人間としてすごく素敵で、魅力的なところ。

ただ自分がやりたいことをやるだけっていうシンプルな思考が清々しく、とても好感の持てるヒロインです。

それでいて、他人の評価を全く気にしないわけでない、みたいなところも可愛かったり…。

相方・島崎との不思議な絆

成瀬を軸にした連作短編集ですが、多くの章は幼馴染で相方の島崎ちゃんとの話になります。

この2人の絆が本当に不思議で素敵で。

間違っても、ベタベタしたり「私たち親友だよね」なんて感じではなく、むしろお互いにお互いのことをよく分かっていないような感じもするのですが…

成瀬が何かするときになんか付き合っちゃう島崎ちゃんと、それに呼応してちょっと変わっていく成瀬…が非常に良い。

読んだ人にしか分からない良さがあります。

いろいろな語り手

ここまでで何度か触れていますが、『成瀬は天下を取りに行く』は連作短編集形式をとっています。

語り手が章によって変わる、独立度高めの連作短編です。
そのため、見る人によって違った成瀬（プラス島崎ちゃん）の姿が見えます。

見る人によって変わる部分、変わらずぶっ飛んでいる部分、その両方があってとても面白い。

人によってどの章が好きか分かれそうで、読んだ人と感想を分かち合いたくなること間違いなし。
私はやはり最終章が好きです。

おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございます！
そもそも関西に西武があること今回初めて知りました。

『成瀬は天下を取りにいく』の次に読むなら！

『成瀬は天下を取りにいく』が気に入った方におすすめの作品はこちらです。

大澤めぐみ『Y田A子に世界は難しい』

野﨑まど『パーフェクトフレンド』

最後まで読んでくださり、ありがとうございました！