妖怪をテーマにした作品を数多く書かれている峰守ひろかず先生。
そんな峰守先生の作品で、高校生男子2人を主人公にしたほのぼのストーリー『金沢古妖具屋くらがり堂』についてネタバレなしでご紹介します!
記事の最後には「くらがり堂」が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『金沢古妖具屋くらがり堂』とは?
あらすじ
妖怪が存在する世界を舞台にした物語。
人間社会に紛れて暮らす妖怪たちと、主人公・汀一の交流を、のんびり温かく、そして少し切なく描いています。
形式としては連作短編集になります
こんな人におすすめ
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「くらがり堂」のここが良い
いいやつ&いいやつ。男子高校生コンビが微笑ましい
汀一とコンビになるのは、汀一が働く「くらがり堂」に住んでいる、ちょっと陰のあるイケメン・濡神時雨。
ざっくり言うと、2人が困った妖怪をなんとかしていくお話です。
主人公・汀一は峰守ひろかず先生作品の主人公らしく、ものすごいお人好し&考えなしで、困っている人がいれば危険を顧みず突っ込んでいってしまうタイプ。
対して相棒の時雨は、一見クールで取っ付きにくいですが、意外と情に厚く、自分より仲間を優先するタイプ。
2人ともめちゃくちゃいいやつなので、読んでいてストレスゼロ。
「もっと用心して!!」とは思うものの、2人の奮闘を素直に楽しめます。
応援したくなる、人間じみた妖怪たち
『金沢古妖具屋くらがり堂』には、人間社会で人間として普通に暮らす妖怪たちがたくさん出てきます。
彼らは人間と同じように迷い悩み、時には仲間同士で励まし合います。
そんな当たり前のところがすごく良い。
また、妖怪たちにとって最も大切なのが「自分のアイデンティティをどう確立していくか」ということ。
人から認識されない妖怪は消えてしまう…なんてよく言いますが、その前に、自分で自分が認識できないとダメなんですよね。
そのあたりは人間よりもシビアで、考えさせられてしまいました。
切ない話もありつつ、最後は明るく読み終えられる
親しくなった妖怪が消えたり、少し切ない話もありますが、各巻明るく希望のある終わり方をしています。
さらっと読めて笑顔になれる、そんな作品です。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
ちなみに、普段は標準語でクールにしゃべっている時雨の、たまに出る金沢弁が大好きです。
めっちゃ可愛い。
『金沢古妖具屋くらがり堂』の次に読むなら!
「くらがり堂」が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
峰守ひろかず『お世話になっております。陰陽課です』
同じ峰守先生の「陰陽課」も気楽に読めて楽しい妖怪小説!
こちらは男女バディものです。
はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ』
男子バディといえばやっぱり「都会トム」!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!