最近の少女漫画の中で個人的に大大大好きな『ふたりで恋をする理由』について、少し掘り下げたいな~と思います。
ネタバレ注意です!
いろいろ書きたいことがあるのですが、まずはあの問題児・愛慈先輩について!
愛慈先輩何がしたかったの??
読者ブチギレの「うららちゃん振り回し問題」について、私も初見時は本当にイライラしていまして。
一時退場したときには「美園くんはあんな男の何が好きだったの?」「もう一生出てこなくていい…!」と思ったものです。
(※うららちゃん全肯定オタクの意見です)
ただ、終盤、愛慈先輩が美園くんと本音で話したときに、「こんな子を好きになりたかった」という発言があり、個人的には腑に落ちた感じがしました。
頭で考えて恋してみようと思ったけど、結局うまくいかなかった、ということだったんですね。
ま~~いらん期待をさせられてフラれたうららちゃんが可哀想なのも、愛慈先輩が最低なのも変わりませんが、理解はできました。
ちょっと愛慈先輩好きになった
また、それを受けて改めて読み返すと、やはり愛慈先輩、人として抜群に魅力的。
気遣い上手で、笑顔が可愛くて気取ったところがなくて、そりゃ人気者だなーと改めて思いました。
ここからは私見ですが…
愛慈先輩って、たぶんピュアだからこそ、自分のちょっとずるいところや弱いところを肯定できず、「自分はいいやつじゃない」と思い込んでしまっているのかなーと。
いい人なのも、ちょっとずるいところもあるのも、どちらも素の愛慈先輩なんだと思うのですが。
だけど、自分で自分をいい人じゃないと思っているから、余裕がないときには「だって俺嫌なやつだからさ!」って具合に投げやりになっちゃってる。
普段は悪いところは出ないけど、恋愛が絡んだときだけポンコツなのはそういうことなのかなと。
遠くで見ている分にはいいけど、好きになるには厄介なタイプですね~。
愛慈先輩の気持ちの変化
さて、そんな愛慈先輩の気持ちの変化を追っていきたいと思います。
ちょっと時系列が前後するのですが、有坂さん登場後から。
有坂さん登場後
有坂さんと再会した後の愛慈先輩の行動はシンプルです。
うらら推しとしてはイラっとしますが。
新しい恋をしたい気持ち&元カノへのあてつけで、うららちゃんをデートに誘ったり、「付き合ってもいい」発言をしてみたものの、やっぱり気が乗らずに、告白されたら断った、と。
ほんとに最低最悪ですね!(笑)
ただ、最後の最後、ちゃんと断ったのだけは良かったと思う。
他の人に気持ちがあるまま付き合っても、うららちゃんは絶対幸せになれないし、きっともっと傷ついていたと思います。
これは完全に想像でしかないのですが…
美園くんとのバスケ練習からオビくん登場までのうららちゃんと美園くんは、気の合う親友の距離感。
(愛慈先輩へ告白する前すでに、うららちゃんは美園くんを「一緒にいてホッとする人」ととらえています)
だから、うららちゃんと愛慈先輩が付き合っていたら、美園くんとの距離は離れるどころかもっと近づいていたんじゃないかな。
そして、自分に気持ちのない愛慈先輩のことを、愛慈先輩のことをよく知る美園くんに相談しているうちに、美園くんの方に気持ちが移っていたのではないかと。
もしそうなったら、真面目なうららちゃんは激しい自己嫌悪に陥り、3人の関係がもっとこじれていたと思うんです。
だから、あのとき断ったのだけは良かった。許せないけど。
有坂さん登場前の行動が意味不明
ちょっと脱線しましたが、話は戻って。
そんなわけで有坂さん登場後の行動は理解できるんですが、その前、初期の行動が理解不能なんですよ。
というわけで時系列順に見ていきます。
出会い~再会
電車での出会いから、学校で美園くんを通して再会するまでの愛慈先輩はいたってフラット。
特に気を持たせる様子もなく、ふつうの知り合いとして接しています。
ここまではいいんですが…
美園家鍋
それぞれにとって大きな出来事である、3人鍋回。
なんで人の家に勝手に後輩連れて来るんだよ!って感じなんですが、ここは明らかに美園くんとうららちゃんをくっつけようとしてるよね…?
帰り際に美園くんのいいとこプレゼンしたり、お節介心を感じるのですが…。
くっつけるまではいかなくても、仲良くなってほしいと思ったから2人を引き合わせたとしか思えません。
「純が女子と話してるの珍しい」「彼女でもできたら安心なんだけど」といった発言からも、普段から美園くんにいい人いないか探していたんじゃないかな~とも思えます。
そこにふっとわいてきた天使・うららちゃん。
大切な弟にふさわしいと思ったに違いない、うん、それは大賛成なんですが…
からの帰り道の夜景が意味不明
となると帰り道に自分のお気に入りの場所へわざわざ連れていくのが意味不明。
2人で静かに夜景を眺めるのは、明らかに気を持たせる行動で意味が分からない…。
タイミング的にも、うららちゃんから「彼女いないんですか?」と聞かれた直後で、まぁうららちゃんの好意はもはやバレバレの状況。
思っていたより自分がうららちゃんのことを気に入ってしまった、うららちゃんが自分に好意があるっぽい、だから美園くんとくっつけるのはやめた、とすれば筋が通らなくはないですが…。
バスケ特訓も最初は美園くんを推してる
けれど、その後のバスケ特訓のときにも、最初は「純に教えてもらえばいい」と美園くんを推しているんです。
当時の2人は関係が悪かったのでうららちゃんから却下されていますが…。
また、その後も自分が練習に行けない日にうららちゃんのもとへ美園くんを行かせたり、ここでもまだ2人をくっつけようとしているようにも見える…。
でも一方で、自分は毎日うららちゃんと2人きりでバスケ練習をしていて。
本当に2人をくっつけたいなら、適当な用事をつくってもっとたくさん美園くんを行かせるとか、3人で練習するとかいろいろやり方あるよねぇ…。
え、どうした?何がしたいの??
てな感じで、球技大会前の行動は一貫性がなくていまいち理解できないんですよね~。
美園くんの説教には変な匂わせ
中でも特に解釈が難しいのが、球技大会直前に「気を持たせるのはやめろ」と美園くんに説教されたとき。
「うまくいくかもしれないじゃん」「お前が嫌なんだろ」とあたかも2人でうららちゃん奪い合い展開が始まりそうな会話をしています。
ここはふつうに読めば美園くんへの牽制だけど、見方を変えれば美園くんに発破をかけているようにも見えるし。
うららちゃんと親しく接しているのは「こういう子を好きになってみたかった」ということで分かるんですけど、美園くんをどうしたいのかがよく分からなすぎる…
頭で考えて恋してみようとしているから一貫性のない行動になるのか?
無理やり解釈すると…
自分なりに解釈して、ギリギリ納得がいくのはこんな感じ。
美園くんに彼女できるといいな、の兄心でうららちゃんと引き合わせる
&
でも自分も恋したい気持ちがあり、ちょっと気になる
↓
いざ美園くんがうららちゃんを気にかける様子を見せると、自分も気になっているのに(&可愛い弟をとられて寂しい?)、の気持ちでバチバチした感じ出しちゃう
↓
美園くんにとられないように、球技大会後デート
↓
(有坂さんと再会し、そっちに気持ちが戻っちゃう)
てな感じですかね~~?
まぁ、初期のキャラブレと言ってしまえばそれまでですし、そもそもひろ先生と初期担当さんの相性が悪く(バスケ回もめちゃ不満そう…笑)、うららちゃんを幸せにしたいひろ先生と、バッキバキに傷つけたい担当さんとのせめぎ合いでこういうことになっているのかもしれませんが…。
いや~ここがきれいに回収されてればなー!
ちょっとモヤモヤ。
有坂さんが登場していなければ…?
ちなみに、有坂さんがあのタイミングで登場していなければどうなったか、もちょっと考えてみたいのですが。
有坂さんの存在がなければ、愛慈先輩は次の恋に進みたい気持ちがあったわけですから、きっと一度はうららちゃんと付き合ったんじゃないかと思います。
でも、たぶんうららちゃんに気持ちが移ることはなく、やはりうららちゃんをボロボロに傷つけて別れていたんじゃないでしょうか。
だって有坂さんだよ…?
作中、全然いいとこ見つからないじゃないですか…。
顔が可愛いだけのコミュ障で、性格もそんなに良くないですよね…ぶっちゃけ…。
うららちゃんのような天使に好意を向けられながら、そんな有坂さんへの思いを捨てられなかったということは、もう愛慈先輩の中で有坂さんが理由なんかない特別枠に入っちゃってるということ。
再会しなかったとしても、そう簡単には忘れられなかったでしょう。
あんなに天使なうららちゃんが、大して良いとこなしの元カノに負けたのは本当に謎なところです…。
(※うららちゃんのガチオタの意見です)
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
結果としてうららちゃんが幸せになれて本当に良かったです!!