SF×夏×ボーイミーツガール!! 鉄板の青春SF『どこよりも遠い場所にいる君へ』をネタバレなしでご紹介します。
記事の最後に『どこよりも遠い場所にいる君へ』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『どこよりも遠い場所にいる君へ』とは?
あらすじ
こんな人におすすめ
無料で試し読み!
『どこよりも遠い場所にいる君へ』のここが魅力
神隠し、まれびと、ボーイミーツガール、夏…これ絶対面白いやつ!
もはや単語の並びだけでわくわくしませんか?
「ボーイミーツガール」と「夏」と言えば数々の名作のある鉄板の組み合わせですし、そこにSF要素が加わると来たらもう!
特に神隠しとまれびとについて分かってくる中盤以降、ギアが上がったようにめちゃくちゃ面白くなります。
陰のある主人公・和希
主人公の和希は一見どこにでもいそうな普通の高校生。
ちょっと朝に弱かったり抜けているところがあるけれど、周りがついつい世話を焼いてしまうような、愛され系男子に見えます。
ですが、全体的になんとなく投げやりで無気力な言動を見せます。
何が彼をそうさせるのか、読者には最初分かりません。
一方で、少女を迷わず助けに行くようなお人好しな面もあり、なんとなくつかめない印象を与えます。
そんな彼が気になって、ついついページをめくっていってしまいます。
謎めいたヒロイン・七緒
和希が入り江で見つけた少女・七緒は、謎めいた言動を繰り返す正体不明の女の子。
身元不明のため、一時的に島で保護されます。
初めは周囲のすべてを拒絶している彼女ですが、和希との交流で少しずつ変わっていきます。
初めは分かりにくいですが、本当はすごく熱い気持ちを持った芯のある女の子。
彼女らしさが出てくる後半の描写がとても良いです。
愛すべきルームメイトたち
和希のように、島外から進学してきた子供たちは学生寮で暮らしています。
和希のルームメイトたちは、家族でもあり友達でもあるような親密な関係を築いおり、そのほのぼのとしたやり取りに癒されます。
また、教室では和希の頼もしい味方となるなど、欠かせない存在となっています。
高校自体は共学なのですが、ルームメイトと過ごす時間が長いので、ちょっと男子校ノリなところもあり、そんなところも魅力的。
きれいなラストにうなります
神隠し、まれびと、和希の過去、七緒の未来、そして高校でのいざこざ…と、長さの割に様々な要素が詰め込まれ、「収拾がつくのか…?」と不安になったのですが、杞憂でした。
すべての要素に決着がつき、最後はかなりすっきりと終わります。
重たい要素が多いのですが、最後は明るく終わっているのが素晴らしい。
悲しみではなく、感動の涙を流して本を閉じられる、そんな作品です。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
ちなみに、本作『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編となる『また君と出会う未来のために』もとても良いので、気に入った方はぜひ読んでみてください!
和希がサブキャラとして登場します。
『どこよりも遠い場所にいる君へ』の次に読むなら!
『どこよりも遠い場所にいる君へ』が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
辻村深月『名前探しの放課後』
同じく「時間」がテーマの青春小説『名前探しの放課後』もぜひ!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!