人気少女漫画誌・別冊マーガレット(通称別マ)。
少女漫画の王道ど真ん中の作品が多く、私も大好きな漫画誌です。
今回はそんな別マの歴代連載作からおすすめ作品10選ご紹介します!
別マとは?
「別冊マーガレット」は集英社の少女漫画誌のひとつ。
ざっくり、ローティーン向けの「りぼん」の上の年代向けと考えてもらえれば良いと思います。
高校生が主人公の作品が大半を占めます。
「別冊」マーガレットということで、本家無印の「マーガレット」の下位互換感がありますが、特に両者に関係はないというのが実際のところです。
(むしろぶっちゃけ別マの方が人気作を多く抱えている印象です)
例外はありますが、雑誌全体の傾向としてはしっとり系よりはコメディ寄りで、元気で明るい作品が中心かなと思います。
また、一線を超える描写が少ないのも別マの特徴かな~と。
だいたい作品終盤で1回あるかないか、しかも具体描写は省略されがちなので、私のようなピュア少女漫画好きにはオアシスです…。

個人的には、別マはとにかく名作が多すぎる…!
少女漫画初心者はとりあえず別マ読んどけば間違いないです
別マの歴代おすすめ10選!
中原アヤ『ラブ★コン』
女子としてはデカすぎる身長がコンプレックスの小泉リサ。自分より背の高いイケメン・鈴木くんを好きになったのを、同じクラスの身長小さめ男子・大谷敦士に知られ、お互いの恋が成就するように協力することになったが…?
やはり別マと言えばラブだけじゃなくコメディもガチ!
ということで、まずはラブコメの傑作『ラブ★コン』をぜひ。
いがみ合っているうちに惹かれ合っちゃう…っていうストーリーはラブコメの定番ではありますが、とにかく登場人物たちの掛け合いが楽しい。
電車で読んではいけない系の作品ですね。
しかし、愉快なギャグコメだと思っていると、足元をすくわれます。
不意打ちの切ない展開で、きっと胸がギュッとなるはず。
コメディの印象が強いと思いますが(確かにだいぶふざけ倒しているのですが)、実は切ない心理描写が秀逸な作品だと思っています。
ちゃんと少女漫画しつつ、ちゃんと笑える。これが傑作でなくて何なのか。
幸田もも子『センセイ君主』
とにかく彼氏がほしい女子高生・佐丸あゆは。頑張って彼氏をゲットしようとするものの空回りしてばかり。臨時教師でやってきた弘光先生のことが気になるけど、全く相手にされず…
コメディ好きなら幸田もも子先生も外せない…!
『ラブ★コン』よりさらにふざけているのが『センセイ君主』です。
モテない女子があの手この手で難攻不落の先生を落とそうとします。
とにかく顔芸がすごくて笑いをこらえるのが困難…。
しかし、もちろんメインのストーリーはちゃんと少女漫画!
主人公・さまるんはとにかくハートが強く、フラれてもめげません。
めげませんが、へこみます。
へこんだり戻ったり調子に乗ったり、またへこんだり…そんな喜怒哀楽の豊かなさまるんが可愛くて仕方ない。
さまるんに先生が振り回され、ほだされていくのをにやにやしながら見てしまいます。
加瀬まつり『Re:blue』
家を出て自立するため、中卒で就職した椿。しかし、上司の言葉がきっかけで5年遅れの高校生になることを決意し…!?
逆にしっとりラインだと『Re:blue』が読みやすいです。
二十歳の女子高生…っていういかがわしそうな設定ですが、別マなので別にそんなことありません。
年上のおねえさんが男子高校生をたぶらかして…的な浮ついた話では全くなく、
人生を軌道修正しようと決意し、勇気を出して高校に飛び込んだ椿ちゃんの、やり直し青春が丁寧に描かれた良作です。
まっすぐ高校生活を楽しむ椿ちゃんと、彼女の事情を知って応援してくれる周囲との温かいやり取りに心が洗われます。
人生いつでも遅すぎるということはないんだなぁ…としみじみ。
21歳女子と16歳男子(爆イケ)との恋を応援したくなること間違いなしです。
湯木のじん『ふつうな僕らの』
街で偶然出会った、同じ学校の先輩を好きになった椿。無事再会し、「先輩と普通の幸せな恋がしたい」と告白するが、彼は耳が聞こえなくて…
同じくしっとり系のおすすめ作品です。
恋した相手はハンデ持ちだった…けど絶対諦めない!な女の子の奮闘を描いています。
少女漫画主人公らしい、どこまでもまっすぐな椿ちゃんが良い!
優しくしてくれた相手とふつうに恋がしたいだけなのに、想いを伝えれば伝えるほど冷たくあしらわれ、邪険にされてしまう。
そんな状況でも相手も環境も恨まず、自分の恋を貫く様子がとても尊い。
なんとも言語化が難しい、この作品にしかない不思議な魅力があります。
お相手の先輩は失礼ながら結構めんどくせえタイプなので、めんどくさイケメンに耐性がある方におすすめ笑
藤原ゆん『そんな、14歳。』
せっかく髪を切ったのに、なんだか違いが分からない…。でも、隣の席の塩屋くんは気付いてくれて…。
2026年最新のピュア両片想いといえばこちら。
とにかく透明感が素晴らしい作品です。
中学生男女の可愛らしい初恋が爽やかに描かれています。
読むとカルピス飲みたくなる(?)
中学生らしいピュアさで、気になる相手にぐいぐい絡んでいく2人。
面倒な駆け引きや言い訳はせず、相手にまっすぐ気持ちをぶつけていく姿が眩しくて仕方ありません。
心を浄化したいときには『そんな、14歳。』一択です!
河原和音『素敵な彼氏』
大好きな彼氏とカウントダウンイルミを見に行くのに憧れる小桜ののか。しかし高1の冬になっても彼氏ができず、焦って参加した合コンでは初対面の男子に「一生彼氏できなそう」とまで言われ…
ラブとコメディのバランスがなんとも別マらしい『素敵な彼氏』もおすすめ!
夢のラブラブカウントダウンイルミのため、とにかく彼氏がほしいののか。
でも、頑張っているのに全然彼氏はできないし、感じ悪い男子に「一生彼氏できなそう」とか言われるし、その人には「俺と付き合う?」とか言われるし…
いやいやちょっと待て、彼氏できそうじゃん!
っていう話なんですが、分かりやすいようで肝心なところで素直じゃない上級者向け男子が相手のため、全然うまくいかずこじれて挫けそうになります。
なぜうまくいかないのか、外野の読者はもうハラハラ焦れ焦れ…。
これ以上にすれ違い両片想いを堪能できる作品もありません。
水野美波『恋を知らない僕たちは』
別所直彦、相原英二、汐崎泉は中学の仲良し3人組。英二と泉は幼馴染で仲が良いけど、直彦は泉のことが気になってきて…
多角関係ものが読みたいときにはこちらがイチオシ!
男女6人で三角関係×3?4?…と大混線ですが、別マなのでドロドロはしていません。
一方通行の矢印たちが絡み合っていく様子にとにかくハラハラ。
誰も悪くないのにままならない恋模様に胸が痛くなります。
登場人物たちがとても人間くさいところが個人的にはすごく好き。
自分の恋に必死になるあまり、人に嫌なことを言ってしまったりとか…自分の中の「綺麗じゃない部分」が表に出てきてしまう。さらにそれに自己嫌悪。
そんな、楽しいだけじゃない恋愛が克明に描かれています。
でも、ドキドキハラハラで終わらず、ちゃんと恋っていいな、と思わせてくれるところもとても素敵な作品です。
河原和音『太陽よりも眩しい星』
岩田朔英(さえ)が小学校のときから気になっていた神城は、いつしか誰もが憧れるかっこいい男子になってしまった。そんな神城に中学生になっても変わらず想いを寄せ続ける朔英だが…
10作しかないので作者被りはしないように…と思っていたのですが、どうしてもこれも外せなかった!
おそらく2020年代の別マの代表作となるだろう作品です。
自分に自信のない女の子が恋をして変わっていく、少女漫画によくある話…。とはちょっと違って。
自分に自信がない女の子を、幼馴染のイケメンが押して押して押しまくって溺愛し、自信はあまりないままだけどすっごく可愛くなっていくお話です。
見どころとしては、ヒーロー・神城の押しっぷり。
とにかく露骨で最高。にやにやするしかありません。
また、もう一つは主人公・岩ちゃんの変化。
少女漫画に限らず少し昔の作品って、内気だったり自信が無かったりするところを「直し」、幸せをつかむ…みたいな、陽キャこそ正義みたいなところがあると思うのですが、
この作品では岩ちゃんに変わることを強要しません。
無口であまり自分に自信がない、だけど心優しい岩ちゃんを、周囲は全肯定。
一方で、逆に受け身で溺愛されるだけの女の子かというとそれも違う。
性格はそのままなんですが、恋によって少し強くなる。
できなかったことができるようになる。
そんな岩ちゃんの自然で前向きな変化が尊くて、応援したくなります。
オザキアキラ『うちの弟どもがすみません』
お母さんの再婚により、苗字が変わった糸(いと)。故郷を離れ、新しいお父さんと3人暮らし! …と思いきや、新しいお家にはクセ強な弟たちが4人もいて…!?
明るいわちゃわちゃホームコメディの名作、『うちの弟どもがすみません』もぜひ読んでほしい作品です。
義姉弟ものにありがちな浮ついた空気感はなく、しっかり「家族」になろうとする温かさが他にはない魅力。
こういうのがあるから別マ大好き。
性格もバラバラな四兄弟それぞれの心を、姉としてがっちり掴んでいく糸ちゃんが男前でかっこいい!
一家に一台糸ちゃんがほしい…。
義姉弟が恋に落ちたら、というよくあるストーリーを、とても常識的に地に足の着いた展開で描いていくのが信頼しかありません。
義姉弟ものが苦手な人も、騙されたと思って本当にこれだけは読んでみてほしい。
ちょっと切ない、けど明るいコメディに、元気をもらえます。
木内ラムネ『月のお気に召すまま』
歩(あゆむ)の中学のときの後輩・月(るな)が入学してきた。感動の再会…と思いきや、変わらず月は意地悪で…?
そして最後に、コメディ強めの別マの中でも振り切ったギャグコメ、『月のお気に召すまま』をご紹介します。
少女漫画のギャグコメとしては、現在最強だと個人的には思っています。
まず、ギャグパートが面白い。
怒涛のボケと的確なツッコミで呼吸困難になること間違いなし。
そしてその上で、とてもしっかり少女漫画しています。
ここが素晴らしいと思うポイント。
素直になれない愛情クソデカ後輩と、今世紀最強鈍感女子のすれ違いがギャグのネタとなっているため、ギャグで笑わせた次の瞬間に切なさで胸を潰される、そんな神業が成立しています。
ギャグがシリアスの伏線なんですよ、こんなことある…?
ちゃんと笑えて、ちゃんと切なくてきゅんとする。
笑えて泣けるラブコメをお探しの方はもう「月まま」読むしか!!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
別マ本当に大好きで、入れられなかった作品がまだまだたくさんあります…!
気に入った作品がある方は、その作者さんの別作品も読むと吉です!!!



















