HJ文庫さんのレビュアープログラムにて、叶田キズ先生の『無防備かわいいパジャマ姿の美少女と部屋で二人きり』を発売前に読ませていただきました!
とても良かったので感想書きます!
事前にネタバレ踏んでつまらなくなる類の作品ではないですが、一応ネタバレ注意です!
※HJ文庫レビュアープログラムは、書籍を提供する代わりにTwitterとかで感想を書いてね~な企画です。
褒め感想を書くことはもちろん強要されていませんが、この作品は気に入ったので褒め記事を書いている次第です。
感想!
いかがわしくない!
正直タイトルとかからちょっと…セクシーな話を想像しませんか?(^^;)
清純派ラブコメ好きなので、これ読むのきつ…と思っていたのですが、これがびっくり、全然いかがわしい話じゃなかった。
パジャマはパジャマでも、夜パジャマ(?)ではなく、昼間から寝間着でだらけてるって話でした…。
汚れていたのは私の方でしたね(笑)
簡単に言うと主人公とヒロインが夏休みを全力でだらけるっていう話なんですが、湿っぽくない淡々とした語り口や、2人のつかず離れずな距離感など、予想に反してとても自分好みの作品でした!
ミステリアスヒロイン
特にいいなと思うのが、ヒロインの真倉ちゃん!
最近減ってきた気がする、ミステリアスヒロインです。
明るいのに陰があって、人と距離を詰めるのが上手いのに、全部は見せてくれない。
でも、主人公の学道には懐いている…ともちょっと違うけど、受け入れてくれている。
その警戒心の薄さ、こだわりのなさが魅力的と思う一方、彼女の真意がつかめず、アンバランスな感じにドキドキしました。
世間知らずな主人公
一方、主人公の学道は、作中で世間知らずと言われているけれど、個人的には「世間ずれしていない」って感じ。
それなりの毒親持ちだと思うけど、現状に疑問を持ちながらも、親を憎んだりグレたりするわけではない。
真夏に同級生のお家訪問なんてかなり面倒だろうに、さほど文句も言わずに、先生に言われた通り家へ向かう。
これってピュアで良い子というよりは、育った環境のせいで、感情が未発達なように思えました。
2人の成長が良かった…!
そんな学道が真倉ちゃんに引きずられてずるずると道を踏み外していく…と思いきや、そうじゃないんだよなぁ。
2人がひたすら堕落しているだけの話のはずなのに、それによって2人がしっかり前に進んでいるんですよ…!
まさかの王道青春ラノベだった。
学道の感情が未発達と書きましたが、自分の感情をつかむのが苦手という点では、真倉ちゃんも同じ問題を抱えています。
その真倉ちゃんにとっては、やはり人と話すことが良かったんだろうな~と。
それも昔から知っている人じゃなくて、アイドルを辞めてから新しく出会った、そして自分のことをよく知らない学道と親しくなる過程で、憑き物が落ちた感じがしました。
そして学道の方も、ガス抜きを覚えられたのがとても良かった。
ちょっとくらい怠けたっていいのだと、それって楽しいことなのだと、そういう当たり前のことに気付けた夏だったのかな。
また、無理に恋愛を意識することなく、終始「友達として」そばにいる感じだったのが、2人のレベルに合っていて良かったなぁと思いました。
すごく微笑ましいカップル…癒される。
終盤の展開が好き
そして、こういう自分の感情に疎い2人だからこそ、クライマックスが「花火を見ながら塾をサボる」程度なのがすごく良くて。
人によっては物足りないかもしれないけど、個人的にはすごく好き。
親とがっつり衝突して和解する、みたいな綺麗ごとではなく、親の知らないところでちょっと羽目を外すっていうのが、なんかこう…ぐっときました。
めちゃくちゃドキドキした。
話聞いてる限り、学道の親が「あなたをそんなに苦しめていたなんて!私が悪かったわ!」などと急に物分かりが良くなるタイプにも思えないし(なったらなったで、学道の今まではなんだったんだってなる)、
あえてここでの全面衝突を回避したのはすごく良いなと…!
ただシリーズ続いていくと避けられない問題になってきちゃうと思うので、今後どうなるかな~~。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
花火大会に、ばっちり決めた浴衣じゃなくて旅館の浴衣で参戦するヒロインは初めて見ました(笑)最高。