ハマカズシ先生の『弥生ちゃんは秘密を隠せない』がとても好みだった!なネタバレ感想です。
未読の方はご注意ください~
感想!
ヒロインがヒロインしてないのが好き!
メインヒロインの弥生ちゃん、良い意味でヒロイン感がなくて、どちらかというと主人公って感じなのが個人的にはすごく好き!!
ラノベによくある、ヒロインが見開き2ページくらいで悶えたり悩んだりしてるinterludeとかって…個人的にあまり感情移入できないというか。
主人公側の妄想っぽいとこありませんか?
あいつ一人でこんなこと考えてたら可愛いのにな~みたいな。ちょっと綺麗すぎるというか…
その点、弥生ちゃんが悩んだり葛藤する姿はファンタジーヒロイン感がなく、読者としてとても応援できるものでした。
必ずしもヒロインとして綺麗で可愛い内容ではないかもしれないけど、弥生ちゃんのピュアでまっすぐな人柄がよく伝わってきて、とても好感が持てます。
要するにヒロイン目線の描写が多い作品が好きなのかも…(^^;)
皐月くんの誠実さが良い
一方で主人公の皐月くんの方も、とても誠実な人柄で推せる…!
サイコメトリーで弥生ちゃんの気持ちを知ってしまっているところから始まった物語。
それを積極的に利用して距離を縮めるようなこともできたと思うのに、そういうことは一切しませんでした。
自分の気持ちがはっきりしたところで、自分から頑張って弥生ちゃんと距離を縮めようとするところがすごく好きです。
最後まで弥生ちゃんの気持ちに甘えなかったのがすごく良い男だなと思います。
プラス要素が良い塩梅
サイコメトリー、エージェント、ピアノと、ラブコメにしてはプラス要素が多いのですが、どれも良いスパイスになっていたと思います。
まずはサイコメトリー。
話のキーになってはいるものの、積極的に利用する方針の作品ではなかったので、個人的には良いなと。
皐月くんが今後サイコメトリーとどう付き合っていくのかが気になっていたのですが、ラストで「気持ちを隠す必要がないからサイコメトリーなんか関係ない」という結論になったので安心しました。
2人はこれからこうやって生きていくんだな、とすごくぐっときたシーン。
とても良いラストだったと思います。
次にエージェントの件。
ヒロインが事情持ちというのはよくあるわけですが、正直それもあまり好きではなくて(ラノベテンプレへの文句が多い笑)。
というのも、そういった事情って、ヒロインが「何かをしないための言い訳」でしかないことが多く、とってつけたような設定に感じられることが多いから。
だから、解決するときも拍子抜けするほどあっさりだったりして…
その点、弥生ちゃんのエージェント問題については、割としっかり家族の描写もされていて、弥生ちゃんの足かせとして納得のいくものだったと思います。
普通の女子高生になりたいという弥生ちゃんの気持ちに、胸がきゅっとなりました。
完結させてくれてありがとう!!
とても気に入っている作品なので、3巻で完結って早いな~~と思ったのですが、3巻がかなり駆け足な内容だったので、もしかすると2巻で打ち切りが決まった上で、最終巻を出させてくれたのかも?と思ったり。
もしそうだとしたら、ガガガ文庫さん推せる…!ありがとうと伝えたい。
駆け足でもなんでも、完結しているのといないのとでは全然違いますからね。
ただ、3巻で完結だったら正直エージェント話はほったらかしでも良いよと思ったり…。
本当は何かもっと違う話だったのだと思いますが、教頭と真夜さんの件で「エージェントってただのパパラッチなの??」となったのは、正直結構残念な話だなと…(笑)
でも、教頭の件を回収し、卯月ちゃんの件にケリをつけ、それでいて皐月くんと弥生ちゃんの恋が納得のいく大団円を迎えるというのは、なかなか誠実な締め方だなと思います。
ハマ先生、諸関係者の皆様ありがとうございます…!
ラストのピアノシーン最高だった!!
皐月くんが弥生ちゃんに駆け寄るシーン、かなり感動してぐっときました。
「俺がついてる!」で泣きそうだった。
作中イジられてるけど、あんなのかっこよすぎないか…?
(でもイジってあげないと可哀想というのは、まあそう笑)
弥生ちゃんから見たら皐月くんがヒーローで、世界一かっこいいだろうなっていうのがすごくよく分かりました。
最高の大団円だったと思います。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
透明感あるイラストもとても好きです。弥生ちゃんかわいい!!