辻村深月先生の『ツナグ』のネタバレ感想です!
未読の方はご注意ください!
ネタバレ感想!
『ツナグ』無印はあまり得意ではなかったのですが…
実は、本編というか無印の『ツナグ』はそこまで好きではありませんでした。
自分の中で上手く消化できない話がいくつかあって…
具体的に言うと、「親友の心得」と「使者の心得」です。
前者はシンプルにもう…後味が悪いですよね。
思春期にありがちな嫉妬が取り返しのつかないことになってしまい、挽回のチャンスを得たのに生かせなかったという…。
後者については、歩美くんのご両親は憎み合って殺し合ったんじゃなくて、お互い大切に思い合っていた…ということで、作中では良い感じにまとまっていました。
でも、私としてはコミュニケーション不足が生んだ惨劇という印象が強くて、うまく切り替えられなかったんです。
現実問題、歩美くんは大切な家族を失っているわけですから…。
この2つの印象が強くて、続編が出たときにもなかなか手が出せませんでした。
特に「親友の心得」については、冬が来ると必ず思い出すような、ほぼトラウマだったので…。
続編「想い人の心得」が良かった!!!
でも、逆に言えばそれくらい強く印象に残っている作品。
続編がやっぱり気になる…!ということで勇気を出して読んでみたら、めちゃくちゃ良かったんですよね!!!
もっと早く読めば良かった。
型にハマりそうな題材なのに、全編全く違う構成というのがすごい。
「母の心得」で娘を亡くしたお母さん同士を引き合わせるところなんて天才すぎる。
また、「一人娘の心得」で大将の言葉の意味が裏返るところは、「うわ~~!」と思わず声が出ました。
これですよ、私の好きな辻村先生は!
そしてもちろん「プロポーズの心得」。
嵐が、なんとか、きちんと生きていることが分かって、すごくホッとしました。
生き別れの妹の安否を確認したような気持ちでした…。
自分を完璧に許せるときは来ないかもしれないですが、そろそろ嵐も幸せになって良いと思います。
というわけで、もう最高でした。たくさんの人に読んでほしいです、本当に。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
シリーズもの、1巻で合わなかった作品は基本続きは読まないのですが、こういうこともあるので難しいです。
『ツナグ』に関しては、本当に続編を読んで正解でした!