鴨志田一先生の名作青春小説『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』シリーズ、最新作まで読み終わりました!すっごく面白かったです!
ということで、ネタバレに全く配慮しない感想をしたためました。
未読の方はご注意ください。
各巻の感想
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
最初は登場人物が奇行に走る系のラノベかと思ったのですが、読めば読むほどなんか違う。
良い話じゃんか…!と衝撃を受けました。
だからってバニーガールはなくない?とは思うのですが(笑)
初めて咲太くんに会ったときの麻衣さん、あっさりした反応ですが、きっと内心すごく嬉しかったりホッとしたりだったんじゃないかなと。
この出会いがなかったら麻衣さんは一人で思春期症候群を乗り越えられなかったのではないでしょうか。
そう思うとぞっとします…。
青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない
テーマが好きです。古賀ちゃんも好き。
人の目を気にしすぎてしまう、優しくてちょっと臆病な古賀ちゃん。
元の友だちグループの子はちょっと…と思っていたので、思春期症候群を乗り越えた後に、元の友だちと上手くやるのではなく、別の友だちができて安心しました。
また、咲太くんの最後の告白がなかったことになっていなくて良かった…!
そこからまた告白し直すのはなんか違うよな、と思いながら読んでいたのですごく嬉しかったです。
2人にとっての大切な思い出が消えてしまわなくて、本当に良かった。
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない
こっそり推してる理央ちゃんのターン!
国見くんだけじゃなく、咲太くんにも彼女ができて、自分に構ってくれなくなると思った、っていう本音の吐露が可愛すぎた…。
いつもの素っ気ない態度との差が最高。
ただ、国見くんもう理央ちゃんで良くない?ダメ?っていう、そこは最新刊まで読んでも納得いかないところ。
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない
まず感想として、父親えっぐいことしてるな!っていうのが一番ですね。
腹違いで年子というのでもううわぁ…なのに、なんつー残酷なことしてるんだと。
麻衣さんとまどかちゃんは2人とも良い子だから関係良好になれましたが、普通無理だぞこれ。
それから、今までアイドルとして頑張ってきて、初センターもらうのが自分じゃないときなんて辛すぎますよね…。
これは一生消化しきれないだろうな…と、胸が苦しくなりました。
のどかちゃん、強い子だな。
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない
これ!!!ほんと泣きました。
だってここまでずっと一緒に来て、それで急に消えちゃうなんて考えられます?
考えの甘い私は、花楓ちゃんの真実が明かされても、「元の人格と今の人格が統合される」程度に考えていたので、まじで消えたときは泣きました…。
青ブタは本当に読者に甘えを許さない作品ですよ…。
ただ、かえでちゃん自体は花楓ちゃんの思春期症候群が生んだと解釈しているのですが、かえでちゃんの頑張りがなぜ思春期症候群の解消に繋がったのかがうまく理解しきれなかったところ。
頑張って学校に行こうとする姿も、思うようにいかない自分に苛立つ姿も、日記、電話、全てが愛おしい最高のヒロインでした。
かえでちゃん、ありがとう。
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない・青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない
これがねー、すごいですよね。本当に読者に容赦ない…。
勘の鈍いタイプの読者なので、咲太くんの心臓のことは全く想像していなかったんですが、確かにたびたび翔子ちゃんと翔子さんの性格の違いには触れられていたんですよね。
翔子さんの方が図太いと…。
確かにまんま咲太くんじゃん、と戦慄しました。
咲太くんの最初の自己犠牲精神は、はっきり言って思考停止だと思います。
何か深く考えたわけではなく、これしかない、はい終わり、みたいな。
こういう思考原理で動く主人公って多いですが、そこに一石を投じたのが、青ブタのすごいところだと思います。
自分のその決断で誰が悲しむのか。何が起きるのか。
本当に、絶対なんとかなると信じている読者ですら、麻衣さんの死の描写がしんどすぎて…。
これらを全て知った上で、翔子ちゃんを犠牲にすることを選びとった咲太くん、そして咲太くんと一緒にそれを背負った麻衣さんが強すぎる…。
最後のどんでん返しはここまで来たらなんでもありなんじゃ…?とは思いましたが、皆が幸せならそれでいい…。
ただ、見えなくなった咲太くんをなんで朋絵ちゃんだけが見つけられたのかはもう少し説明が欲しいところ。鈍い読者なので…。
あと、明日死ぬつもりでいる麻衣さんが、テレビ越しに咲太くんへの想いを伝えるのが尊すぎた。
青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
当たり前ですが、花楓ちゃんとかえでちゃんが本当に別人格で、分かっていても胸がきゅっとなります。
花楓ちゃんのかえでちゃんへの気持ちはすごくリアルだな…と。
2年間も「自分」をやっていてくれた子へ、嫉妬や恐れ、そして感謝の気持ち。
考えてみると、かえでちゃんが花楓ちゃんを想う気持ちにも似ていて、そこはやっぱり同じ人間なんだな、と思ったり。
花楓ちゃんの最後の決断は素晴らしい。
自分で自分の道を選べる花楓ちゃんなら、この先もきっと大丈夫だと思います。
青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
ここまで頑張ってきた咲太くんに与えられるのが、母親からの存在抹消なんて辛すぎる…。
この巻はちょっと納得いかないところが多いです。
青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない
これはまたすごいテーマを持ってきたなと。
空気読めないキャラに空気を教えるって…。しんどかったですね。
ただラストが、空気を知った上であえて読まない、に落ち着いたので安心しました。
あとのどかちゃんが本当に常識人で良い子…!
青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない
「ハツコイ少女」でも疑問だったのですが、なんで上手くいった方の世界の咲太くんはわざわざ七里ヶ浜の高校に進学しようと思ったんでしょうね?
「ハツコイ少女」と同じで別の世界の影響を受けて…ということなのか。
同窓会で、彼女自慢がまじな嫌味に思われて滑るところ、本当にリアルだなと。
まあ同級生からしたら笑えないですよね…。
大学生にはなったものの、咲太くんも麻衣さんも元々落ち着いたキャラなので、そこまで大人になった感はないですが、飲み会のシーンは衝撃でした。
咲太くん大人になったな…!
両想いラノベって最高
数は少ないですが、さくっと両想いになるラノベっていいですよね。
2人の関係が安定している分、恋愛面に焦点が当たることは少ないですが、咲太くんの心の真ん中に常に麻衣さんがいる感じがとても良い。
そして2人のツーショットが本当に尊い。
「ハツコイ少女」を経て、「2人で幸せになる」という気持ちを言語化できたのもすごく好きだなって思います。
次のヒロインは?
「ランドセルガール」のパターンもあるのでなんとも言えないですが、名前のある女の子だと、国見くんの彼女・上里さん、大学の同級生・美東さん、花楓ちゃんの友だち・琴美ちゃん、塾の教え子・姫路さん、そして霧島透子でしょうか。
まだまだ結構いるな。
この中で個人的に(ナイチンゲールの)次のヒロインだと予想するのは、ずばり咲太くんの教え子・姫路さん!
ナイチンゲールの引きは霧島透子だったのですが、彼女が思春期症候群のカギを握るとしたら最終巻で持ってくるのではないかと思うのですよね。
というわけで次はまだ早いのではないか、と予想。
他に名前のあるメンバーでそれっぽいのは、明らかに何か抱えていそうな姫路さんが怪しいなーという感じです。
当たったらうれしい(笑)
(2022/11/10追記)
新刊情報出ました!
「マイスチューデントの夢を見ない」ということで姫路さんがヒロインのようです。当たった~!(笑)
ちなみに国見くんの彼女については、あまりに印象が悪いので救済回があるはず…と思っていたらそのまま高校卒業したので、よほど人気なかったんだなーと思っていました。
でも、「ナイチンゲール」を読むとこれからようやく出番が来るのかな?と。
正直理央ちゃんを越える魅力を見出だせないので、これから何かあるといいですね。
でもまだメインヒロインに持ってくるのは早い気がする…
江の島行きたい!
江の島がたくさん出てくるので行きたくなります。
海の幸食べたい(笑)
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
まだ1周目なので、2周・3周したらまた感想を書き足したいなーと思います!
とりあえず面白かった!!!