言葉が心にすーっとしみわたる、『違国日記』の魅力をネタバレなしで紹介します。
記事の最後には『違国日記』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『違国日記』とは?
あらすじ
事故で両親を失った中学生・朝は、母の妹・槙生のもとで暮らすことになり…
こんな人におすすめ
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『違国日記』のここが良い
感動を押し売りしない
一番言いたいのはこれですね。
感動や感情を押し付けてこないところが大好き。
両親を亡くした「かわいそうな女の子」が主人公ですが、それによって読者を泣かせようという感じが全くありません。
事故の件に限らず、良いことも悪いこともただ淡々と綴られていく様子がとにかく心地よい。
朝ちゃんの叔母の槙生ちゃんの生き方がそのまま作品の色になっているのですが、同情しないし寄り添わないけど、ただ傍にいて、自分がかけたい言葉をかける。
っていうこの距離感がね…しみる…
淡々としているからこそ、言葉の一つひとつがすっと頭に入ってくるんですよね。
気付くとすごく心が動かされている。
感動の押し売りが苦手な人、試しに読んでみませんか。
分かりやすい感動はありませんが、確かに胸に残るものがあります。
まとまりがない
ストーリーに良い意味でまとまりがありません。
先に書いたのと重複しますが、「ここで盛り上げよう!」っていう意図があまり見えてこなくて、ただただ朝ちゃんと槙生ちゃんの暮らしが淡々と描かれていきます。
人によっては単調に見えたり、読みにくく感じるかもしれないです。
ただこのまとまりのなさがなんともリアルで、月並みな表現ですが本当に生きているかのようで、すっごく良いんです。
主人公の朝ちゃんにしても、気の毒な境遇なんですが、ただの可哀想な女の子ではなく、むしろ年相応に言動に難があったり、ただ同情されるだけのキャラではないのがすごく魅力的。
朝ちゃんをただ可哀想な子として描くと、ストーリー展開のために親が事故に遭った感じも出ちゃってしまうと思うのですが、とにかくそういう意図的なものが全然出てこないんですよね。
本当に不思議な力のある作品です。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
ちょくちょく出てくる、飾らないおうちご飯たちが絶妙に美味しそうで好きです。
『違国日記』の次に読むなら!
『違国日記』が気に入った方におすすめの作品はこちらです。
志村貴子『こいいじ』

まとまらない、ままならない、ならこちらもきっと好き
オノ・ナツメ『COPPERS』

群像劇で心にしみると言えばこちらもおすすめ!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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