互いの才能や嫉妬が絡み合うクリエイターたちの共同生活を描いた名作、『スロウハイツの神様』の魅力をネタバレなしでお伝えします!
記事の最後に『スロウハイツの神様』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『スロウハイツの神様』とは?
あらすじ
こんな人におすすめ
無料で試し読み!
とにかく長いけど、頑張って最後まで読んでほしい!
この『スロウハイツの神様』、長いです。とにかく長い。
しかも大半が回想です。
上巻にいたっては現在時点のエピソードがほとんどない…。
そのうえ群像劇で各登場人物の過去がバラバラに語られていくので、「回想同士が繋がっている」という構成でもありません。
申し訳ないのですがとにかく読みづらいです。
今がいつの時点で何の話をしているのか、すぐ迷子になります。
とは言え、起伏がないというだけで文章的には難解なところはないので、普段から起承転結の緩やかな小説を読まれている方は気にならないでしょう。
逆にミステリーなどの起承転結がはっきりしたお話を好む方は読みづらいと思います。
何が起きているのかつかみづらく、じれったいです。
でも読んでほしい。面白いから。
『スロウハイツの神様』では、とりとめもなく語られているようなエピソードの中に丁寧に伏線が張られています。
現在時点の物語の決着は割とあっさりしているのですが、最後の種明かしが良い。
めちゃくちゃに良い。
今までずっと読んできて良かった!という気持ちになること間違いなしです。
だからどうか一度読んでみてほしい!(長いけど…)
正直、続きが気になって本が置けない、という感じではなく、むしろ途中で挫折しそうになるかもしれないけれど、最後まで読んだ人はきっと笑顔になれる、そんなお話です。
ただ、本当に何の話だか分からなくなるので、時間をかけて読むのはやめた方がいいです(笑)
一気読み推奨!
クリエイター(の卵)たちが互いに切磋琢磨しながら成長する
「とにかく読め」ばかりで内容に触れていないので、少しだけ内容も紹介します(笑)
スロウハイツというアパートでシェアハウスをするクリエイターたちのお話です。
各自の部屋プラス共同空間があり、互いに干渉しすぎず、程よい距離を保ちながら生活しています。
暮らしているのは、まだクリエイターとして芽が出ていない人から人気作家まで様々。
ジャンルも小説、漫画、映画などなどバラバラです。
そんな彼らが共同生活を通じてお互い切磋琢磨し、時に傷つけ合い、前に進んでいきます。
一人ひとりの成長物語であり、辻村深月先生らしくかなり心えぐられる痛々しい展開も…。
ですが、自分の大切なものや仲間を守るために頑張る姿にぐっときます。
他の辻村深月作品との関係は?
『凍りのくじら』の主人公・理帆子ちゃんが脇役として出てきますが、きちんと脇役として説明があり、変な匂わせもないので、未読の方も気にならないと思います。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
『スロウハイツの神様』は、一度目と二度目で印象が変わります。全部知ってから読むと本当に尊い…。
気に入った方はぜひおかわりして楽しんでください!
『スロウハイツの神様』の次に読むなら!
辻村深月『名前探しの放課後』
辻村深月先生の青春小説にハマった方は、同じ辻村先生の『名前探しの放課後』もぜひ!!!!
綾崎隼『ぼくらに嘘がひとつだけ』
切なくて優しい物語が好きな方は『ぼくらに嘘がひとつだけ』もおすすめです!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました~!
コミカライズもあります~
他の辻村深月先生の作品も読んでみたいなー、という方はぜひこちらの記事もご覧ください。