絵本作家のシゲタサヤカ先生をご存じでしょうか…。
大変シュールで面白い作品をたくさん出されている方で、大人にも子どもにも読んでほしい!!!ので、全力で布教します!
- シュールで意味不明!でも読んじゃう!
- 不遜なキャラクターたちがウザ可愛い!
- 教訓とかない!
- とにかく読んだら病みつき!!
シゲタサヤカ先生のおすすめ絵本!
作品同士にゆるやかに関連があるので、こんな感じの順番で読むと良いかな~という順でご紹介します。
どれも独立した作品なので、もちろんどこから読んでもOKです!

どかっと全作品ご紹介するので、気になるものがあればぜひチェックしてみてください…!
『わりばしワーリーもういいよ』
シゲタサヤカ作品の入門におすすめなのがこちら!
文章少なめでテンポの良い作品です。
早く使ってほしいのになかなか使ってもらえない、ラーメン屋さんの割り箸・ワーリー。
やってられるかと店を飛び出し、使ってくれる人を探しに行きます。
びっくり展開の多いシゲタ作品の中で、この作品はあまり癖がなく、とにかくテンション高めで楽しい!
ワーリーは無事に使ってもらえるのか、そわそわしちゃいます。
『オニじゃないよおにぎりだよ』
こちらも癖少なめのほっこり系です。
ある日人間が残していった傷みかけのお弁当を食べたオニたちは、あまりのまずさに人間たちが気の毒になり(優しい)、
美味しいおにぎりを食べさせてやろうと、大量のおにぎりを用意して街へ下りていきます。
でも、突然オニがやってきたので人間たちはびっくり!街はもぬけの殻に。
そのすれ違いにもめげないオニたちのポジティブさが可愛い!
気持ちが明るくなる作品です。
『ラッキーカレー』
この『ラッキーカレー』と、次に紹介する『カレーはあとのおたのしみ』はいっしょに読むとより楽しい感じ。
時系列的にはこちらが先ですが、どちらから読んでもOKです。
ある夜カレーライスを食べようとしたら、なぜかカレールーが喋りだし、逃げ出そうと…!
なんとしてもカレーを食べたいおじさんは、カレーをなだめすかし、引き留めようと必死になるのですが、そこから思わぬ方向に話が進みます。
本来何も考えずに食べれば良いはずのカレーが喋りだすことで、なぜかカレーを食べることに罪悪感が生まれるので不思議です(笑)
シュール絵本なので悲しい結末にはなりません。
なぜこうなった…な展開ににやり。
『カレーは あとの おたのしみ』
『ラッキーカレー』とちょっと関係のあるお話。
いっしょに読むと、ちょっとにやっとできます。
ある日、カミナリたちが住む雲の上に1枚のチラシが。
チラシの美味しそうな匂いに惹かれ、カレーなるものを食べに雲の下におりてきたカミナリたち。
しかし、辿り着いたカレー屋ではなかなかカレーを出してもらえません。なぜ?
まともに読むと結構悲しい話なんですが、カミナリたちの底抜けの能天気さでバッドエンドを回避しています。
明るいオチが楽しくて何度も読みたくなってしまいます。
そして読むとカレーが食べたくなる…!
『カッパも やっぱり キュウリでしょ?』
これとかはちょっと人を選ぶかも…。
キュウリを食べたいカッパが、夜道で出会った弱ったキュウリ(!?)。
しめしめ食べてやろうとめっちゃ優しくします。
表紙のカッパのちょっと嫌らしい顔ときたら(笑)
騙してキュウリを食べちゃう話かと思いきや、一筋縄ではいきません。
最後はくすっと笑えます。
『キャベツがたべたいのです』
芋虫のころに食べたあの美味しいキャベツがまた食べたいと願うも、チョウチョになってしまったため、もう食べられない…。
そんな切ない導入からまさかのびっくり展開に。
思いもよらない なんでもあり具合に笑わされます。
なんでそうなるんだよ!!と思うこと間違いなし。
『まないたに りょうりを あげないこと』
ここから『いえいえ、そんなことはありませんよ』までが同じレストランの厨房を舞台にした作品です。
どこから読んでも大丈夫ですが、おすすめはやっぱりまな板!
まな板の上の食材をこっそりつまみ食いしているまな板の話です。
その発想はなかった…(笑)
つまみ食いなんてしていたら…もちろん大変なことになるわけですが、誰に何を言われても全く悪びれないまな板が憎めなくて可愛い。
まな板が食材をもしゃもしゃする衝撃の絵面が忘れられなくなります。
『りょうりを してはいけない なべ』
まな板の次は鍋!
鍋のくせに笑うと料理を吐き出してしまうという、これまたよく思いつくなぁ…な設定の困った鍋なんです。
前作のまな板以上にふてぶてしく、怒られてもへこたれない、全くお構いなし!なんですが、料理を禁止されると様子が変わっていきます。
やることなすことイラっとするんですが、でも可愛くて、憎めなくて。
気付くと何回も読んでしまっている作品です。
『コックの ぼうしは しっている』
これは好き嫌い分かれるかな。
まな板と鍋はトラブルメーカーでしたが、今度は良いモノの話です。
嘘つきコックの頭の上の帽子は、彼の嘘をぜーんぶ知っている。
何度も仮病でサボろうとするコックにとうとう堪忍袋の緒が切れ、「全部知っているんだよ!」と叫び始めます。
困ったモノの話が続いたところで、真っ当なモノが出てくるというバランス感覚が素晴らしい。
こちらもシュールではあるんですが、主人公がまともなため、他の作品と違って割と教訓的かも…。
面白要素は少なめなので、好みが分かれそうなところ。
『いえいえ、そんなことは ありませんよ』
厨房シリーズの最新作は、物ではなく弟!
連日大忙しの厨房へ、あるコックが自分の弟を助っ人に連れてきます。
この弟コックが超優秀で、みんな大助かり…と思いきや、なんか様子がおかしいぞ、と。
最後はすっきりハッピーエンド。
4作の中でも展開が分かりやすく、シンプルに面白い作品です。
何を言っても謙遜する弟コックの「いえいえ、そんなことはありませんよ」という台詞が耳から離れなくなります。
『おいしいぼうし』
おじいさんとおばあさんの家の前にある日落ちていた謎の物体。
美味しそうな匂いにつられてぺろっとなめると…甘くて美味しい!
はい、もうお分かりですね。
もちろん全部食べちゃいます(絵本あるある)。
しかしその夜、食べちゃった帽子の持ち主が現れたから大変!
正直に謝るのではなく、2人で全力でごまかす方向に持っていくので、全く教育的ではないのですが(笑)、
大事な帽子をなくして悲しみに暮れる持ち主さんとの落差でもう笑うしかない。
『たべものやさん しりとりたいかい かいさいします』
よくあるしりとり絵本といえばそうなんですが、食べ物屋さんを舞台にすることで一捻り。
ラーメン屋さんは「ん」がつくものばっかりですね!残念!とか、細かく笑わせてくれます。
見どころはなんと言っても、シゲタサヤカ先生の可愛い絵です。
大量のすっとぼけ食べ物たちがとても愛らしく描かれています。
優勝者もとっても可愛いんですよ~~ぜひ確かめてみてください。
『クリコ』
意味わからなさで言うとトップクラスなのが、この『クリコ』!
クリスマスの夜に主役のクリスマスケーキが喋りだし、ごちそうをたらふく平らげた後で「ねえねえケーキはまだ~~~?」と尋ねてくるという、またなんともつっこみにくい話です(笑)
シゲタ作品のキャラクターらしく、とってもふてぶてしいクリコ。
クリスマスが終わってもいっこうに帰る気配がなく、困った家族たちがクリコを追い出すべきかどうか揉めるっていう。
この謎の厄介ごと持ち込み感が良い。
オチも意味不明なんですが、なんかもういろいろどうでもいいや!ってなる楽しい作品です。
『いくらなんでもいくらくん』
個人的イチオシのいくらくんを最後に紹介しておきます。
町に不思議なお店ができたと聞いてやってきたら、そこにいたのはいくら!
何でも屋だと言ういくらくんに、お殿様が次から次へと無理難題を出しますが…、全てこともなげに叶えてしまいます。
謎にハイスペックなのに、やる気ゼロないくらくんが癖になります…。
絵本で「けだるげ」なんて言葉初めて見た(笑)
そうしている間に、すっかりいくらくんなしでは生きていけない身体になってしまったお殿様。
しかし、いくらくんとのお別れが迫り…。
何か教訓的なあれがあるのかと思いきや何もないところが好き。
いくらくんのダウナーっぷりに癒されてください!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
特にカレー・クリコ・いくらくんあたりは本好き大人に刺さると思うので、ぜひ一度読んでみていただきたいです!