Palcyで開放してた『こいいじ』を一気読みしたんですが、なかなか刺さったなーってことで感想残しておきます!

ネタバレ注意です!
感想!
とりあえず、ゆめさんとか河田さん(と姉)とかはね…もう言及したくもないやって感じなんですけど(ゆめさんはまめちゃんのこと大事なのは辛うじて分かるけど屈折しすぎ…)。
まめちゃんがほんとーーーーに良い子だった!これに尽きる。
まめが想定外に真っ当だった
食い意地ならぬ「恋意地」…という意味のタイトルらしいですが、全っっ然恋意地張ってなかったよ!まめちゃん!
最初こそ、現実見えてない自己中残念女子か~~~?って思ったんですけど、読み進めると思いやりがあって優しくて、周りの人を大切にしてるすごい良い子だった…。
結果として、とてつもない執念による粘り勝ち、になってるんですけど、なんかそうまとめたくない。
好きな人の好きな人と、2人の間の子どもまで丸っと大切にして傍にい続けるってなかなかできることではないですよ…。
それも、馬鹿だからとか、下心で、とかじゃなくて、ピュアな気持ちで好きな人の新しい家族まで含めて大切にしてきたっていうのがな…いや本当に良い子。
可哀想だけど憎めない。
最初に聡ちゃんに振り向いてもらえたのに、優ちゃんに振り回されたとき、優ちゃんに感情をぶつけず「むしろごめんね~~~!」ってなるの、人間ができすぎてるだろ。
このとき、後から「優のせい」って聡ちゃんに吐露してたのが明かされるの、めちゃくちゃぐっときた…!
そうだよな、聖人君子じゃないもんな、そう思うよな、でも優ちゃんの前では言わないで聡ちゃんに言うんだな、そうだよな、うわ深い~~~~泣
個人的には、あのときなんとなくくっついたままいかなくて良かったと思うんですよ。
あそこでくっついてたら、単なる粘り勝ちで、そして最愛の人が消えたことによる繰り上がりでしかなかった。
春さんが生きてたらこの幸せって存在しないよね?っていう、仕方ないけど若干のもやつきがあるというか…。
結局春さんが一番でまめは穴埋めでしかないじゃん?みたいな。
逆に、まめちゃんのために、もう春さんのことは忘れないといけないのか、とか…。
もう一度くっついたとき、「春さんはもっと聡ちゃんと優といっしょにいたかったはず」「外野がうるせえ」って号泣するまめちゃんが、本当にまめちゃんでとても良かったんですよ。
これ見たときに、春さんが生きてたらとか、そういう話じゃなくて、巡り合わせでこうなったんだなーって、なんかすとんと思えて。
上手く言えないけど。
聡ちゃんにとって春さんは大切な人のままで良くて、でも、まめちゃんも大事にして良くて、っていうところに落ち着いたのは、やっぱり紆余曲折を経たこのタイミングだったからだなーと思うので、結果良かったと思う。
いろいろあったけど、ほんっとうに河田さんなんかに持ってかれなくて良かった…。
優ちゃんの身勝手さが沁みる
で、優ちゃんがね、本当にまめちゃんを振り回してるんですけど…これがまた良いんだよな。
まめちゃんがお母さんになればいいのにと煽る→くっついたらやっぱり嫌だとなる→河田さんと結婚するのも嫌だと言う…の地獄の流れ(笑)
序盤あんだけ煽っておいて、本当に付き合ってみたら「嫌だよ~~~」ってなるの、
まじでまめちゃんに対して人の心がなさすぎて小学生でも許されんぞって感じなんだけど、ここで「嫌だ」をちゃんと言ったのが偉い!
お母さんを亡くした子どもが、昔からいっしょにいるお姉さんが父親のこと好きだって知ってたら、人恋しくて「お母さんになってくれたらな」って思うのも自然なことだし(もちろん思わなくても自然なんだが)、
それでデリカシーなく不用意に本人に対して「お母さんになって」ってプッシュできちゃうのも、いや小学生残酷~~~…なんだけどめっちゃ分かる…。
そして実際付き合ってみたら「お母さんが忘れられちゃう!やだ!」ってなるのもめっちゃ分かる。
ここのめちゃくちゃな心の動きがリアルですごく良い。
平気なふりをしていても、まだ心の整理とか準備ができてない状態だったんだよね。
そりゃそうだ。
ここで「自分が言ったことだから…」と我慢していたら、たぶん誰も幸せになれなかったから、ちゃんと自分の感情を表に出したのはすごく良かったと思う。
その後の「河田さんと結婚しないで」もまぁまぁ身勝手で、ほんとまめちゃんに甘えてるなーって思うんだけど、
過去の自分の発言と今の自分の感情を無理やり整合しないで、その時々で思ったことを言うのは、ややこしい人が多い分とても尊いことだなと思った。
そして、これに限らず、いろいろ間が悪い優ちゃんが可哀想かわいい…。
お弁当作ってる自慢を祖父母にしてみたら、「あいつは娘に負担かけて…」となぜかお父さんが責められる流れになってしまったのとか。
歩み寄りのつもりで、聡ちゃんのインタビュー記事をまめちゃんといっしょに読もうと思ったら、見出しが「亡き妻への想い」だったのとか…。
あの絶望優ちゃんめちゃくちゃ良いですよね…。
春さんの気持ち
最後に、春さんがまめちゃんのことをどう思っていたか、だけちょっと書いておきたい。
春さんがずっと自分の気持ちを知っていたと知って、「春さんにとって自分は疎ましかったのでは」とまめちゃんが気にするんだけど、個人的には逆だと思う。
春さんの方が、「まめちゃんにとって自分は疎ましい存在のはず」と思うのがふつうなんじゃないかな。
早い遅いは関係ないけど、結果として後から出てきて好きな人持ってっちゃってるんだから…。
それなのに、まめちゃんを結婚式に招待して、その後もずっと赤井家のそばにいさせてくれたっていうのは、本当にまめちゃんを信頼して、春さんがまめちゃんを好きだったからだと思う。
ていうか、そうじゃない人に大事な娘の送迎なんか頼まないから…。
これはやっぱり、まめちゃんが心清らかで聡ちゃんの家族も大事にしてくれてたからだと思うんだよなぁ。
春さんが亡くなったとき、何も言わずに優ちゃんに寄り添うまめちゃんに、今までの関係のすべてが表れているなと。
そんなまめちゃんだから、たぶん疎ましいとは1ミリも思ってなかったと思う、きっと。
自分がいなくなった後も、聡ちゃんと優ちゃんのそばにいるだろうまめちゃんには、たぶん思うところもあっただろうし、単純な感情ではなかったと思うけど、まめちゃんのことが嫌だなとは最後まで思わなかっただろうな~…と。
でも、それでも「疎ましかったんじゃないか」と思って気にするまめちゃんが、ピュアで愛おしいんですよねぇ。
おわりに
最後まで読んでくださりありがとうございます!
聡ちゃんのナポリタン食べたいですね。