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【ネタバレ感想】岡本タクヤ『異世界修学旅行』くだらなくて大大大好き

【ネタバレ】『異世界修学旅行』 ラノベ
ラノベ
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岡本タクヤ先生の『異世界修学旅行』、2周目終わりました!
やっぱり最高に面白かったので、ネタバレを気にせず感想を書いていきたいと思います!!

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ネタバレあり感想

ものすごいギャグなのに、めちゃくちゃ真っ当な青春小説!

『異世界修学旅行』は、ラノベだからこそ!な素晴らしいギャグ青春小説だと思います。
怒涛のメタネタや小ボケで読者を笑かせつつ、各巻起承転結がはっきりしていて、オチはしっかり締める。

各巻の内容もすごく良いんですよね。
仲間の絆、個人の成長などのベタな要素はもちろんですが、全編通して「自分の気持ちに素直になろう」というメッセージが感じられました。
素直になって勇気を出せば、みんな受け止めてくれるよ、という。

すごく優しくて真っ当で、だけどちょっとくさすぎる…ようなことも、ギャグで茶化しつつだからかえってストレートに心に入ってきます。
真っ当な物語、真っ当なメッセージが大好物なので、これは惚れざるを得ません。

ギリギリ(アウト?)のギャグが好き…

とまぁ内容も良いのですが、やっぱりすごいギャグですよね、『異世界修学旅行』は。
シリアスなシーンでもボケ続けるから話が進まないこと(笑)
波長の合う合わないがはっきり分かれると思いますが、私は終始笑い転げました。

ただ、実在人物・実在団体をネタにした内容が多いので、もう10年20年したら古臭く感じたり、素直に笑えなくなっているかもなぁ…
ゲラゲラ笑いながら読めるのは、作品が書かれた2015年前後におおよそ中高生~20代30代くらいまでの人でしょうか。
『異世界修学旅行』と同じ時代に生まれたことに感謝…(そんなおおごと?笑)

異文化交流は…

一応「異文化交流ファンタジー」と謳われていますが、そこは個人的にはあまり意識しなかったです。
プリシラが現代日本文化に精通しすぎていること、逆に沢木たちにとっても多少予備知識のある中世ヨーロッパ風世界ということで、お互いの文化にあまり抵抗がなかった印象。
摩擦的な意味での異文化交流感はなかった…かも?
というかプリシラと二年一組御一行の順応力が高すぎる(笑)

日本っていいなー!

逆にすごく感じたのは「日本っていいな」ということ。
美味しいご飯に独自の文化、プリシラが目を輝かせる様子を見るたびに、当たり前に思っている一つひとつが素晴らしい文化なんだなーと改めて感じました。

番外編…というかもはや小説ではないかもですが、「DX」も結局面白くて全部読んじゃいましたよ。
いまさら聞けないあれこれを嚙み砕いて説明してくれているので、大人こそ読みたい作品かも?

伏線の回収の仕方がにくい

2巻の「ガイドさん何歳ですか?」には痺れましたね。
定番ネタに伏線を織り交ぜてくるので、伏線が馴染みすぎて本当に気付かないです。
「ひろゆき」のまさかの回収にもおお!となりましたね~。

伏線をそうと気付かせない、かつ、ちゃんと印象に残る、という点でかなり優れた作品だなと思います。

ちゃんと潤滑油してる沢木が好き

最初は私も「潤滑油とか言ってるやつが本当に潤滑油なわけない」なんて思って冷ややかに見ていたのですが(笑)
いやぁ本当に潤滑油でしたね。沢木ごめんなさい。
個性豊かな面々とエネルギー溢れる王女様が楽しく修学旅行できたのは、間違いなく沢木のおかげ。

新メンバー登場のときに、ちゃんと最初に沢木に声かけるのが良いですよね(そりゃ語り手だから…的なメタノリでスルーしがちですが)。
あぁ、ほんとに人望あるんだな、と思いました。

綾ちゃんの告白への返事が誠実で良い

最後の最後まで引っ張った恋模様。
沢木の勢い告白も物語のクライマックスとしてすごく良かったですが、何より綾ちゃんの返事が良かった!

今までの沢木への想いや、ちょっと遠くに感じていた、ということまで寂しさをにじませつつ告げるのが可愛い…
それに、修学旅行前なら断っていた、と正直に言うのが綾ちゃんらしいなと思います。

その上で、修学旅行で沢木への見方がまた変わった、知らなかった面が見えた、だからOKだよ、というのがぐっと来ました。
修学旅行で何かを得たかった沢木にとって、この言葉は何より嬉しかったのではないでしょうか。
ちゃんと「何か」は得られていたし、大切な人に伝わっていたと。
ただOKするだけでもいいのに、そこまでちゃんと話してくれる綾ちゃんが素敵。

最後までちゃんとギャグで良かった

ギャグ成分の多い作品の場合、どうしても最終巻が近づくにつれ、話を畳むためにシリアス成分が多くなり、作品の良さが削がれてしまう問題があります。
しかし、『異世界修学旅行』では「そんなん知るか!」と言わんばかりの平常運行ぶりで乗り切ってくれました。

6巻は内容的に滑りそうでしたが、いい感じにまとまっていたのですごいなと。
いつも通り笑かされました(笑)

そして少し毛色が違うのが最終巻。
いつも通りボケ続けているのですが、「旅の終わりが近づいて、気丈にいつも通り振舞う」的なプリシラと沢木の気持ちが感じられて…
いつもと同じようにボケ続けているのに、ぐっと胸にくるものがありました

6巻の幻の破り方が良い

幻の中で正気に戻るために、お互いの関係が重要になっているというのがすごく好き。

どの組み合わせも良かったですが、坂上先生にプリシラが語りかけるシーンは泣きましたね…。
あれはずるい…
これだから『異世界修学旅行』は良いんですよ…

主人公みがすごい山田

最後の最後に出てきた山田、ものすごく小説の主人公っぽいキャラだなーと思います。
少し臆病だけど善良で、勇気を出してすごいことを成し遂げる。みたいな。

本当に今回の客人神の主人公は山田で、プリシラたちはサブストーリーだったんだな、と感じました。
この感じが…上手く言えないのですが、メタノリのすごい『異世界修学旅行』という作品全体の締めとして、すごく良いな、と個人的に思います。

異世界召喚の説明はもう少し欲しかった

聖徒会が、流星群が出るたびに捜索隊を出してクラスメートを回収していたという話がありました。
2人以上で飛ばされたというメンバーの話も特になかったので、沢木たち一行以外は、基本的には全員バラバラのタイミングでバラバラの場所に落ちたのかな、と思います。

となると沢木たちだけ団体さんでイージーモードだった理由が気になるところ。
こしじつけでも良いので何か説明がほしかったなぁ。

理由を何か考えられるとすれば…
プリシラはこの世界の中でもかなり「持っている」人間、そして、きっと一番客人神を待ち望んでいた少女。
だから多くの人を引き寄せた、というところかなと勝手に解釈しています。
沢木御一行は、結局全員プリシラのお気に入りですしね(笑)

また、日本に帰った後のこともあまり言及がなかったですが、ハイファンタジー様が「夢じゃないかと思うときがある」と言っていたので、日本では時間が経っておらず、普通に飛ばされた時間付近に戻ってきた、ということなんでしょうね。
みんなクタクタだし、プリシラと親しかった面々は号泣してるだろうし、京都の修学旅行を予定通り行えたのか気になりますね…(笑)

ラストが良い!

修学旅行で絆を深め、最後は涙をにじませつつも笑顔で別れるのがとても良かった。
そして、別れたと思いきやさくっと再会するのも、「どっきり大成功」で最後まで日本のバラエティ番組ネタ引っ張ってくるのもすごく好き。
やっぱり楽しい物語のラストはこうでないと!

このキャラのここが好き!

ハイファンタジー宝田

好き。もう大好きです。
有能っぷり、ツンデレっぷり、すべてがめちゃくちゃ可愛い。
6巻の表紙もすごく好き…だけどラノベ読むの?(笑)

途中から全裸芸木村とセットになってお約束ネタ扱いされてるけど、登場したらきっちり活躍して帰るところが好き。
日本に戻ってからの沢木とのシーンも何気にすごく好きです。

だかりん

プリシラお気に入りのだかりんも好き!
本当に誰のことも馬鹿にしない優しいギャルでしたね…。
とりあえず肯定な感じがもはや聖母。

くそ豚老師さま

全巻通して一番笑わせてもらったのはくそ豚老師さまこと丸山!
もう笑いこらえるの無理でした。
とにかく意識の低いことを意識高い雰囲気で言ってるのがツボ。
自称豚宣言がかっこよすぎ…!

綾ちゃん

キャラデザがほんとに好み。
あと挿し絵でほぼほぼ笑ってなくて、きょとんと真顔の間くらいの表情してるのがめちゃくちゃ好きです。
目立った活躍はあんまりなかったけど、そういう裏方っぽいところも良いです。

プリシラ

型破り王女様で、コンプライアンス的に怪しいところも多かったですが、とにかくパワーがすごい!
既にできあかってるクラスの中に一人飛び込んでいける、自分への自信の高さはやっぱり王女様だなぁと思いました。

可愛かったのは、豚骨ラーメンに怯えるシーン。
珍しく本気でびびって帰りたがるのがめちゃくちゃ可愛かったです~

プリシラはワードセンスがすごくて、特にエルフィニアから逃げるときの置き手紙がめちゃ頭悪そうで好きです。

沢木

コンプライアンスゆるゆるなプリシラをフォローしてまわるのが好き。
(このフォローがないとさすがにやばいラノベ)

他の人を否定するようなことは言わないし、結構な人格者ですよね。
一回り大きくなって、彼女もゲットして、もうお幸せにって感じです!

おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
感想書いてたらもう一周したくなってきましたー!(笑)
『異世界修学旅行』、一生推していきます!

プロフィール
えしゃ

えしゃ(@shallot0147)と申します!
・ラブコメ好き。少女漫画とラノベが大好きです!
・雑食&乱読
・好きなジャンル:ラブコメ、広義のミステリー、ローファンタジーなどなど
・愛読書:辻村深月『名前探しの放課後』
・推しキャラ:佐藤こはる(塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い)

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