何も持たない主人公が口先だけで這い上がっていく、頭脳戦の快作『騙王』シリーズの魅力をネタバレなしでご紹介します!
最後に『騙王』が気に入った方におすすめの作品も紹介しています。
『騙王』とは?
あらすじ
こんな人におすすめ
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『騙王』のここが魅力!
自らの頭脳と口先で切り抜けるフィッツラルドがかっこいい!
第一王子びいきの国王から疎まれ、王位継承権も無いに等しいフィッツラルド。
挨拶代わりに刺客を送り込まれたり毒を盛られたり、味方だと思っていた人物に裏切られたり…。
普通の人間ならいくつ命があっても足りないですが、フィッツラルドは顔色ひとつ変えず、優れた頭脳で危機を切り抜けます。
苦難を乗り越えるどころかしっかり利用して、自分に都合の良い展開を手繰り寄せていくフィッツラルド。ここが読んでいてめちゃくちゃ爽快なんです!
また、頭脳戦ものだと「最初から全て俺の計算通り」みたいな主人公も多く、それはそれで面白いのですが、フィッツラルドの場合は一度本当に追い詰められたところから這い上がるので、より清々しさを感じます。
フィッツラルドの行動原理が明快
常に命を狙われているフィッツラルド。
時には裏切られることもありますが、人を恨むことはありません。
ただ淡々と、自分を王に導くため、その時々で最善の選択をしていきます。
ある意味からっとした性格で、何があっても取り乱したりしないので、内容の割にさっぱりとした読み味。
私は重たい政治ものは苦手なのですが、すごく読みやすかったです。
悪女(?)リズとのバディも最高
少々ネタバレになりますが、途中で仲間になる他国の姫・リズがすごく魅力的。
フィッツラルドの最高の相棒となります。
フィッツラルドとリズの、甘い関係ではないのだけど、お互い分かり合ってる感がめちゃくちゃ良いんです…!
続編『謀王』も面白い!
『騙王』だけできれいに終わっているのですが、嬉しいことに続編『謀王』が出ています。
『騙王』は連作短編集の趣でしたが、続編『謀王』は長編!
こちらもフィッツラルドの知略が光ります。
やはり長編の方が読み応えがあるので、『騙王』が気に入った方は、続編『謀王』までぜひ読んでいただければと思います!
おわりに
めちゃくちゃ面白い『騙王』シリーズ、二作目の『謀王』が明らかに続きを意識した終わり方をしているのですが、三作目が出ません…。
オチはついているので2作で完結ということかもしれませんが…。
秋目人先生がまたフィッツラルドの物語を書いてくださるのを、ずっと楽しみにしています!
『騙王』『謀王』の次に読むなら!
『騙王』が気に入った方におすすめの作品はこちらです!
米澤穂信<小市民>シリーズ
頭の良いキャラや騙し合いが好きな方は、『春期限定いちごタルト事件』に始まる<小市民>シリーズをぜひ!
日向夏『薬屋のひとりごと』
したたかな主人公や王宮ものが好きな方は、架空の世界の後宮を舞台にした中華風ファンタジー『薬屋のひとりごと』がおすすめです!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!