【GALS考察】GALS本編の乙幡麗ってただの恋愛オンチなのでは…？【乙綾】

少女漫画史上最も難解なヒーローと言っても過言のない、超絶めんどくせえ男・乙幡麗…。

設定上爆イケナンバーワン高校生ということになっている乙幡くんですが、最近思うんですよ。

この人おしゃれな意味深キャラじゃなくて、ただの恋愛オンチなんじゃないか…？

ということについて、今回つらつらと書いてみました…！

乙幡麗ただの恋愛オンチなんじゃないか仮説

乙幡くんの自己認識と実際との乖離

まず、この記事の前提として、乙幡くんは最初から最後まで綾ちゃんが好きです。

なのに、どうしてこう紆余曲折があったのか…。

これ、乙幡くんが本当は恋愛オンチであるにも関わらず、自分を恋愛玄人ととらえていたからだと思うんです。

初期の言動を見るに、これまで一通りの恋愛経験があると思われる乙幡くん。
それなりに恋愛慣れしていると自分では思っていたことでしょう。

だから「初恋は重い」っていうのが出てくるんですよね。
自分にとって重いというだけでなく、「人生で一度きりの初恋の相手が自分みたいに擦れてるやつだと申し訳ない」的な意味を含む「重い」なのかなぁとか。

彼の肩を持つわけではないですが、まあ確かに綾ちゃんの言う通り優しい人間ではあると思うんですよね、いやものすごく分かりにくいけど…。

で、その初恋は重い野郎ですが…、自分も今までガチの彼女はいたことなかったんじゃないの？？

というのも、ここまでモテてたら逆に彼女どうしても欲しい！とか思わないだろうし、別に一人でいて平気なタイプだしわざわざ彼女作るのか？っていうのと、
そもそも乙幡くんの自由な言動についていけるのって綾ちゃんくらいじゃないか…？

ワンナイト的な経験は積んでるかもしれないですが、特定彼女はいたことないんじゃないかなぁ。
言い寄られて付き合っても、面倒になって秒で別れてそう…。

本人はまさか自分が恋愛経験ないと思ってないだろうけど、ちゃんと人と付き合うの初めてだったんじゃないかなぁ。

不器用な言動を振り返る…

本当はガチ恋愛慣れしたことなかったんじゃないか。
女の子を喜ばそうなんて考えたこともなかったのでは。

そう考えるといろいろ腑に落ちて…。

例えば、高１クリスマスにプレゼント用意してないのも、気が利かないのではなく「プレゼントって何買えばいいんだろう…」って悩んだ末に用意できなかったんじゃないか…と思えてくるし、

「指輪欲しい？」って聞いた割にその後に繋がらないのも、「勇気出してみたけど、要らないって言ってるからこれ以上押せないな…」ってなったのかなって思うといっそ可愛いくらい。

なんか年齢相応の男子っぽく見えてきませんか…！可愛いぞ…！？

暗黒期の乙幡くんが割と残念

そう考えると、暗黒期の乙幡くん、自業自得な面が強いとはいえ結構可哀想なんですよ。

もし乙幡くんが私の考える通り超絶不器用野郎だったとしたら、この期間に一番困ってたのは乙幡くんだったんじゃないか。

まず、くだんの「お前自分ないの？」ですが、まあタツキチの言う通り大事な子だからわざわざ説教してるという側面もあるでしょうが、主にはただの八つ当たり。

というのも、この回の冒頭に、綾ちゃんが「私は昼予備校、乙幡くんは夜バイトで時間が合わない」って言ってますね。

それに対し、このとき蘭ちゃんが海に誘ったら、予備校サボって遊びに行くことを即決してます、綾ちゃん。
これイラっとしますよね。

俺とのデートは予備校優先で、寿の誘いは行くのかよ、ってなったのでは…？
もっと言うと、このとき２人がいっしょにいられる貴重な時間なのに、蘭ちゃんとタツキチと合流してるのも不満だったりしたのでは…？

で、八つ当たりしたら、なぜか「同情で付き合ってくれてる」みたいな方向に話が転んでしまって困惑したのではないでしょうか。

彼としてはしっかり彼女扱いしているつもりなのに、なんでそうなるんだ？と。

しかし、不器用なので「好き」の一言が言えない…。

暗黒期の始まりってこんな感じだったんじゃないでしょうか。

口下手がすぎる乙幡くん

そうしてすれ違いが続くうちに、綾ちゃんが片瀬にフラついてしまう、と。

蘭ちゃんに片瀬の話を聞いたときの反応（俺も束縛されないで済むし）は完全に強がってるだけ…と思うと結構哀れな…。

不安になって文化祭に駆けつけてみれば、ニッコニコで他の男と話してる綾ちゃんを目撃し、しかも自分の顔見たら泣き出す地獄…。
そのうえ間男がしたり顔でバーンしてくるし…これイラっとするわ。

ここでも素直になれずに八つ当たりしてしまったわけですね～。
いや～残念な男すぎる…！

その後、片瀬が馬脚を現したため綾ちゃんは目が覚めますが…、よく考えたら片瀬の件の顛末、誰も乙幡くんに話してなくないか？

もしかして、あの男とはどうなったんだろう…俺は振られたのか…？って乙幡くんこそひとりでずっと考えてたんじゃないだろうか…。

だから、その後クリスマスも初詣も自分からは誘えなかった。
綾ちゃんは綾ちゃんで自分から誘わなかったので、せっかく片瀬が消えたのに２人はすれ違ったままだったと。

で、本当はバレンタインがすごく良い流れだったんですよね。

綾ちゃんがチョコを渡して、はっきり気持ちを示したのはかなりホッとしたんじゃないだろうか。
乙幡くんは乙幡くんで素直にチョコ受け取ってるし、これで仲直りのつもりだったのでは。

この後「お前もタワレコ行くか？」とか言って関係正常化の流れになったんじゃないかとすら思うのですが、
残念ながら過保護な蘭ちゃんのノンデリ行動で流れが変わってしまいました。

ここでの「どうせ義理だし」は「どうせ義理（だから、わざわざ俺が受け取る必要ない）」という、大量のチョコを差し出されているであろうイケメンならでは言い回しなんですが、シンプルに「本命なら欲しかった」という意味にとらえられてしまったんですね。

いや普通そう思うわ！日本語下手か！
（このセリフを思いつくみほなっち先生はまじで天才だと思うが）

綾ちゃんに明後日の方向で責められ、このときもイラっとして売り言葉に買い言葉で「そうだよ寿が好きだよ」と言ってしまうわけです。

「そう認めれば気が済むんだろ？」と叩きつけている通り、これはまあ本音ではないですよね～…。
俺が好きなのはお前なのに、なんで伝わらないんだよっていう。（伝わらねーわ）

こう考えるとこの男、見た目と違ってかなり短気だな…？

なので、高３春の「綾カレ宣言して！」からの「どうなわけ？」は、まじで「どうなわけ？」と思って聞いてたんだろうなと。
乙幡くんとしてはまだ付き合ってるつもりでいるけど…綾ちゃんにその気があるのか分からなかったんじゃないか。

「お前自分ないの？」なんて言うくせに、自分こそ付き合ってるんだか付き合ってないんだか分かんない状態の彼女放置してるじゃん…？ってずっとキレてたんですけど、
恋愛オンチだから綾ちゃんの気持ちが分からないし素直に聞けないし…でこういうことになってたんですね、きっと。

とにかく不器用なのに周囲からは器用に見えているため、やることなすこと深読みされて真意が伝わらない残念イケメンだった…ということではないかと。

まあ恋愛オンチ扱いしてきましたが、片瀬にフラついた件、綾ちゃんちゃんと謝罪してないのに黙って水に流してるのは器が大きいなとは思います。
こういうとこはイケメンだよなぁ。

「慣れ」の解釈

最後に、高３夏に二位くんと話している「慣れ」というワードについて。

マミリンと結構いい感じになってきている二位くんが、マミリンの存在について「慣れた」という表現をし、乙幡くんも「それなら分かる」と話しているところ。

これ、同じ「慣れ」でもマミリンと綾ちゃんでは全然意味が違いそう。

乙幡くんの場合は、綾ちゃんに対する自分の気持ちに慣れた、って意味じゃないかなぁ。

思えば、一度は「初恋は重い」と拒絶した綾ちゃんを、数か月後に乙幡くんは受け入れています。

これって綾ちゃんがしつこくしたからでじゃなくて、乙幡くん自身が思ったより綾ちゃんにハマっちゃってたからでは。

鳳南体育祭で、クラブの女の人との関係を綾ちゃんに聞かれて思わず言い訳めいたことを口にしてしまい、自分でも「あれ？」ってなってますが、このへんで引き返せないことに気付いたんじゃないかな…。

高３で元サヤになってからの乙幡くんが割と素直なのは、自分の感情に慣れて愛情表現が（乙幡比で）上手くなったからなのかなーと思ったり。

おわりに

最後まで読んでくださりありがとうございます！

『GALS！』の20年後にりぼんで連載していた『初×婚』のヒーローが、「自分がガチの恋をすると思わなかった」っていうようなことをよく言っているんですが、
今回GALS!本編を再読していたときにふとそれを思い出して、ああ乙幡くんもこういう感じだったのかなと思ったらいろいろ腹落ちしたのでこの記事を書きました。

この解釈だと、続編GALS!!のいろいろダダ漏れ甘すぎ乙幡にも繋がる気がしていますが…どうでしょうか…。