絵本って子どもだけのものだと思っていませんか?
そんなことないんです!
大人だってキュンとしたり、びっくりしたり、読んでいて心が動く「面白い絵本」がたくさんあります。
そんな本好き目線で素敵な絵本をご紹介したいと思います!
教育に良いとか、子どもが喜ぶとかは考慮していません(笑)
サスペンスの読みすぎで心がグロッキーなときや、推しキャラが死んでしまったとき…(具体的)、さくっと読めて楽しい絵本で癒されませんか?
大人が楽しんで読んでいる本はお子さんもきっと楽しいはず!
ということで読み聞かせにもぜひ。文章量少ないものが多いので3歳・4歳くらい向きかなと!
- 大人も楽しい絵本30選!
- 森あさ子『ぞぞぞ』
- 三浦太郎『サンタさんのおとしもの』
- ミカエル・エスコフィエ『れいぞうこにマンモス!?』
- デビー・グリオリー『愛は空いっぱいのお星さま』
- しばなお『ぼくたちはまっているんだ』
- オームラトモコ『なんのじゅうたい?』
- 武田美穂『ひ・る・ご・は・ん!』
- 柴田ケイコ『パンどろぼう』※シリーズ
- 長谷川義史『たこやきのたこさぶろう』
- 穂村弘『あかにんじゃ』
- 五味太郎『きんぎょがにげた』
- やまぐちりりこ『ぱんだんす』
- あだちなみ/あいはらひろゆき『くまのがっこう』※シリーズ
- 視覚デザイン研究所『しっち はっち きゅうきゅうしゃ』
- 渡辺有一『ねこのはなびや』
- ガーリア・バーンスタイン『サイモンは、ねこである。』
- ジャック・デュケノワ『おばけの地下室たんけん』※シリーズ
- 工藤ノリコ『ペンギンきょうだい れっしゃのたび』※シリーズ
- 島田ゆか『バムとケロのさむいあさ』※シリーズ
- おおでゆかこ『いろいろクリスマスツリー』
- 斉藤洋『ペンギンたんけんたい あやしいゆうれいせん』※シリーズ
- すみくらともこ『わにくんのだめだめアイス』※シリーズ
- たしろちさと『せかいいちまじめなレストラン』
- 伊沢尚子『バナナのはなし』
- 山咲めぐみ『ふたりのひとりたび』
- 宮野聡子『きみにありがとうのおくりもの』
- シゲタサヤカ『いくらなんでもいくらくん』
- はたこうしろう『なつのいちにち』
- 中川ひろたか『ふねなのね』
- おわりに
大人も楽しい絵本30選!
森あさ子『ぞぞぞ』
まずは軽めに。
「な~んだ?」→「〇〇でしたー!」っていう、よくある赤ちゃん絵本ではありますが、フリが「ぞぞぞ」って(笑)
まさに「ぞぞぞ…」と出てくる感じの、音の響きが楽しくてめちゃくちゃ好きです。
また、塗りむらのあるおしゃれで温かい絵柄がすっごく可愛い!
表紙はおばけなんですけど、全然怖くありませんので、お子さんと読むのにもぜひぜひ。
三浦太郎『サンタさんのおとしもの』
クリスマスイブの夜におつかいに出かけた女の子が、赤い手袋を見つけて、サンタさんに届けなきゃ!と探しに行くお話です。
なぜ女の子が夜にひとりでおつかいに…?と気になるところですが、そこは絵本なのでスルーします。
サンタさんといえばプレゼントを届けに来るのを家で待ち構えるのが定番だと思うのですが、落とし物を届けるために街の中を探すというのが新しくて好き。
また、ヨーロッパ風なのかな、雪が降りこめる冬の街並みがとてもロマンティック。
街中が眠っているかのようなしんと静かな空気の中を、サンタさんを探そうと目をこらす様子にキュンとします。
ミカエル・エスコフィエ『れいぞうこにマンモス!?』
ここからちょっと外していきますが、これは完全に大人が読んで面白い絵本だと思います。
子どもさんは若干「…??」って感じかも。
ある日、冷蔵庫を開けたらマンモスがぎっちぎちに入っており、見つけた一家が仰天、消防を呼んで大騒ぎに…というお話なのですが、終盤思わぬ展開に。
「こう来たか!」とうならされます。
ラストは解釈によってはバッドエンドなのですが、なかなか奥深い作品です。
また、全体的に色彩がくすみカラーでとってもおしゃれ。
表紙も可愛いので部屋に飾っておきたい。
※内容がややひねているので、プレゼントにはおすすめしません…!
デビー・グリオリー『愛は空いっぱいのお星さま』
親子が愛について語り合うお話。
道徳的すぎて気持ち悪いと感じる人もいるかなと思うのですが、個人的にはめちゃ尊いなと思ったので入れておきます。
愛は変わらないのか、愛はなくならないのか、それに対する回答が深くて、じーんときます。
しばなお『ぼくたちはまっているんだ』
低年齢絵本としては王道の、「誰かな?」「〇〇でした!」の繰り返しパターンの作品。
チンアナゴとニシキアナゴの2人が待っているのは…?
2人のとぼけた会話が可愛い。
最後に待っていたものの正体が明かされると、なるほど!となります。
オームラトモコ『なんのじゅうたい?』
こちらもラストが意外で面白い作品です。
長い長い渋滞を先頭まで行ってみたら、渋滞の原因はまさかの…?
これはお子さんも喜びそう!
そして、すごく大人的なときめきポイントなのですが、こちらの作品めちゃくちゃ丁寧に作りこまれています。
最後に今まで通ってきた渋滞メンバーたちがもう一度ずらっと出てくるんですね。
一台一台が米粒くらい小さく描かれているんですが、これ、前に出てきた絵の使いまわしじゃないんですよ…。
開いていたドアが閉まっていたり、降りようとしていた運転手さんが運転席にいたり、シーンに合わせて変化がつけられているんです。
おそらく絵を描く方からすれば当たり前のことなのだと思うのですが、素人発想だと「プロすげー!」って感じ。
この丁寧な仕事を見ると、「私も頑張ろう」という気持ちになるんですよね…(笑)
すみません、本当に個人的な話だったのですが、そんな感じで細部までこだわっているので、ぜひじっくり見ていただけたらなと!
武田美穂『ひ・る・ご・は・ん!』
特にストーリーとかはなく、ただ美味しいお昼ご飯を作るだけのお話。
お昼のメニューはナポリタンとサラダ!
これがめっちゃくちゃ美味しそうなんですよ…!
表紙と異なり、中身は線太めの武田美穂先生らしい温かな絵で、それだけで癒されます。
食べ物絵本好きな方は読んで損はないはず!
柴田ケイコ『パンどろぼう』※シリーズ
紹介するまでもない大人気作ですが!確かに面白いですこれ。
不穏なタイトルですが、盗みを肯定するストーリーにはなっていないのでご安心を。
くすっと笑えて、笑顔で読み終われる作品です。
温かく、思い切りの良い絵がすごく良い感じ。
作品全体も勢いがあって、読み聞かせたらすごく楽しそう。
長谷川義史『たこやきのたこさぶろう』
おしゃれな絵本が好きなので、こういった絵柄は正直好みではないのですが(ごめんなさい)、内容があまりに好きだったのでご紹介します。
せっかく焼きあがったのに旅に出ようとするたこさぶろう。
たこ焼き仲間たちとの押し問答の末、たこさぶろうが頑なに旅立とうとした理由が明かされます。
内容はそんな驚くものではないと思うのですが、たこ焼きとしてのプロ意識の高さにシンプルに感動しました。
お客さんを想う気持ちが素敵。
最後は自己肯定感が上がる感じのオチです。ぜひ!
穂村弘『あかにんじゃ』
すこし不思議な作品です。
お城に忍び込んだあかにんじゃ、赤いからすぐに見つかってしまいます。
逃げるためにドロン!と変身するものの、必ず赤いものに化けるので、どこへ行ってもすぐ目立っちゃう。
ドロン!ドロン!とテンポよく進む逃走劇が楽しいのですが、最後はまさかのものに。
最初はお侍さんに囲まれていたのに途中でパトカーに追われたりと、全体的に世界観が謎で、つかみどころのない不思議なお話です。
まさに忍者な感じ。
シュールなオチが癖になります。
五味太郎『きんぎょがにげた』
こちらは名作なのでご存じの方も多いと思いますが…!
金魚鉢から逃げ出した金魚が、家じゅうの色んなものにしれっと紛れてみます。
見つかったらまた逃げます。
なんといっても、リアル昭和レトロな絵が可愛い~~!
全体的にくすんだ色彩とかも逆におしゃれで、令和の今こそ読むべき絵本かも。
すっとぼけた顔でたたずむ金魚がおかしくて可愛くて、何度も読みたくなる作品です。
疲れた心が癒されます。
やまぐちりりこ『ぱんだんす』
パンダ好きなら読んでおきたいパンダ絵本。
パンダもの絵本は多いですが、その中でもちょっとシュールな絵柄と内容がお気に入り。
特にストーリーやオチはなく、パンダが踊ったり走ったりするだけなのですが、これがま~~可愛い。
特にラストが良い。
パンダ成分を大量摂取したいときにぜひ。
あだちなみ/あいはらひろゆき『くまのがっこう』※シリーズ
キャラグッズで有名な「くまのがっこう」ですが、実は絵本です。
おしゃれでおませなストーリーがすごく良い。
洗練された文章に心ときめきます。
絵がすごく可愛らしいのでお子さんも喜ぶとは思うのですが、内容は本好きの大人が読んで楽しいような感じだと思います。センスの塊。
大人こそぜひ!
視覚デザイン研究所『しっち はっち きゅうきゅうしゃ』
描き込みが多くて楽しい視覚デザイン研究所さんの乗り物シリーズ。
その中でも個人的に構成が上手くて傑作だと思っているのが『しっち はっち きゅうきゅうしゃ』。
街中で起きるトラブルに、消防本部へSOSが。
そしてそれぞれのトラブルに合う救急車が派遣されていきます。
内容はよくある絵本かなと思うのですが、画面の端の方に、次のトラブルへ向かう別の車両が映りこんでいるんです。
これが個人的好きポイント。
一難去ってまた一難、消防本部の一日は終わらない…的な慌ただしさが好きです。
トラブルの内容は調整されていて、悲惨なものはありませんのでお子さまも楽しく読めるかなと。
ちなみにこのシリーズは良い作品ばかりで、踏切を定点観察した『ふみきりかんかんかーん』や、日本列島を新幹線で縦断する(九州→北海道の強行軍!)『しんかんせんでゴーッ』なども素晴らしいです。
特に後者は日本全国の駅名入り地図付きなので、旅行好きならきっと盛り上がるはず!
渡辺有一『ねこのはなびや』
夏に読みたい!
花火大会の裏側のお話です。
猫の花火屋、しろねこぐみ・くろねこぐみ・とらねこぐみが、花火の技を競い合います。
なんといっても、夏の夜空に浮かぶ花火たちの華やかで鮮やかで美しいこと!
花火が上がった瞬間の、あたりがパッと明るくなる様子が思い浮かぶような、上手く言えないんですが「夏っていいな!」ってなる感覚が好き。
力強く描かれた花火たちには小さな悩みを吹き飛ばす力があります。
そして最後の大技が圧巻!
何度読んでも胸が熱くなります。
ガーリア・バーンスタイン『サイモンは、ねこである。』
これめちゃくちゃおすすめです!
ネコ科の動物たちに囲まれた猫のサイモン、強そうな彼らから馬鹿にされてしまうのですが…?
最終的にサイモンが一枚上手で、痛快。
おしゃれな絵もめちゃくちゃ良い。
ジャック・デュケノワ『おばけの地下室たんけん』※シリーズ
怖くないおばけのお話。
仲良しおばけ4人組が、謎の物音の原因を突き止めるため、こわごわ地下室へ向かいます。
物音にびっくりしたり、おばけ(鏡に映った自分)にびっくりしたり、ちょっと怖がりなおばけたちが可愛くてたまりません。
日本で言うと幽霊というよりは妖怪って感じでしょうか。
人間くさいおばけたちがおちゃめで可愛くてとっても好き。
ちなみに、シリーズものなので、これだけで読むとよく分からない設定があるので解説しておくと、
このおばけたち、飲み食いしたものの色・質感に変わるという性質を持っています。
白いおばけなので、牛乳を飲むと元に戻ります。
そのあたりのことは『おばけパーティ』に出てくるので、気に入ったらあわせてぜひ。
また、『おばけ、ネス湖へいく』なんかもなかなか面白いです。
工藤ノリコ『ペンギンきょうだい れっしゃのたび』※シリーズ
平和な絵本が読みたいときはこれ!
ペンギン3姉弟が3人だけで旅に出ます。
子どもだけの旅のワクワク感と心細さがリアルでとても素敵なシリーズです。
また、出てくるご飯がとっても美味しそう…。
工藤ノリコ先生と言えば『ノラネコぐんだん』シリーズが人気ですが、あちらは少々シニカルなので、個人的には素直に楽しめるこちらが好き!
ちなみに、内容的にはシリーズどこから読んでも大丈夫ですが、一応連続した話になっているので、刊行順に読むとお家から出発してお家に帰ってこられます。
『れっしゃのたび』→『ふねのたび』→『そらのたび』→『バスのたび』です。
島田ゆか『バムとケロのさむいあさ』※シリーズ
こちらも名作ですね!
約30年前の作品ですが、令和に読んでも全く違和感のない可愛い絵柄が魅力的な作品です。
ある日バムとケロが凍った池に釣りに行ったら、池ごと凍り付いたアヒルを見つけ、慌てて保護します。
氷を溶かしてお世話をし、いっしょにご飯を食べたり遊んだり大歓迎。
特に何か驚きがあるわけではないですが、とにかく画面の隅々まで書き込まれた小物の一つひとつが可愛くて、ご飯やおやつがいちいち美味しそうで、「理想の暮らし」が詰まった作品です。
また、個人的にはケロちゃんが良い根性していて好き(笑)
クッションに突っ伏して泣いていたと思ったら、次のページではドーナツもしゃもしゃやっているような、名前の通り何があってもケロっとしているのが可愛いんです。
おおでゆかこ『いろいろクリスマスツリー』
とにっかく絵が可愛くておすすめなのがこちら!
ストーリー的なものはあまりなく、各地の個性的なクリスマスツリーを見ていくという構成です。
動物たちが自由な発想で飾り付けるツリーが可愛い!
私のお気に入りは浜辺の貝殻クリスマスツリー。
他にも可愛いクリスマスツリーばかりで、見ているだけでときめきます。
ちなみにおおでゆかこ先生の絵はキラキラして可愛くて本当に大好きなんですが、絵本としてもトゲがなく優しい作品ばかりなので、気に入ったら他の作品もぜひ…!
『キウイのおうちのキーちゃん』は美味しそうなお菓子も出てきて最高です。
斉藤洋『ペンギンたんけんたい あやしいゆうれいせん』※シリーズ
大人が楽しい、で言うとこちらはまさにそれ。
謎のペンギン探検隊が海を進んでいると、怪しすぎるカモメやウミガメに出会い、最後は怪しすぎる幽霊船と遭遇…ピンチ!
てな感じのお話です。
どんなに怪しいやつらと出会っても「全速前進!」と我が道を行く、ペンギン探検隊のメンタルが強くて好き。
すっとぼけたペンギンたちの面白さは大人の方が伝わるのではないかと。
すみくらともこ『わにくんのだめだめアイス』※シリーズ
友だちのぶたくんを遊びに誘ったところ、出かける準備をしている間に食べかけのアイスを預かっているように言われたわにくん。
果たしてわにくんは誘惑に打ち克つことができるのか…!?
誘惑に負けそうになるたび「だめだめ!」とすんでのところでこらえるわにくんが可愛い。
シリーズでこれが1作目ではないのですが、どこから読んでも大丈夫(毎回だめだめします笑)。
個人的にはだめだめアイスがいちばん完成度が高いと思う。
たしろちさと『せかいいちまじめなレストラン』
美味しそうなご飯の香りが立ちのぼってくるような素敵な作品です。
「世界一真面目」ってどういうことかというと、注文が入ってから食材を取りに行きます。
裏の庭にリンゴを収穫しに行ったり、えっちらおっちらハチミツを取りに行ったり、果ては海に出て魚を釣ったり。
何時間待つんだよ!とか言ってはいけない。絵本なので。
そんなとれたて食材で作るご飯やお菓子がとっても美味しそうなんです…!
美味しいご飯の話が好きな方には強くおすすめしたい作品ですね。
ちなみに、読み聞かせ観点で言うとたしろちさと先生の作品はハズレ無し!と思われます。
毒がなく平和で可愛くて楽しい作品ばかりなので、気に入った方は他の作品もぜひ!
ヨーロッパ好きなら『ミミとピギーのベネチアりょこう』が必読です。
伊沢尚子『バナナのはなし』
大人が楽しい!と言えばかがくのとも絵本シリーズだと思うのですが、その中でもイチオシが『バナナのはなし』。
いつも食べているバナナ、どんなふうに育って日本までやってきたのか知っていますか?
バナナの中の黒い点の正体は?
そんなちょっとためになる知識を教えてくれて楽しい作品です。
あとバナナが可愛い。
かがくのとも絵本は、他にも『おとうふやさん』など、身の回りのものがどんなふうにできているか知ることができて大人もめちゃくちゃ楽しいです。
私は食べ物の話に目がないので、食べ物関係の作品ばかり読んでいます(笑)
山咲めぐみ『ふたりのひとりたび』
バディものの傑作。全人類読んでほしい。
心が浄化されます。
あらすじを詳細に説明してしまうと野暮な感じなのでぼかすと、
いつの間にか2人でいることが当たり前になっていた2人のお話です。
尊いしかない。
情景もきれいで本当に心癒されます…。
宮野聡子『きみにありがとうのおくりもの』
急にどうした?ってくらい「道徳的」な見た目なんですが、「お友だちにはありがとうを言おうね!」的な押し付けがましい話ではありません。
一緒に暮らすこりすとくまくん。
こりすは早起きが得意で美味しいご飯を作ってくれて、くまくんはのんびり屋だけど丁寧に野菜を作ってくれます。
そんな得意なことの違う2人が、唐突にお互いがいつもしれくれていることに感謝し、自発的に、そして超ストレートに「ありがとう」を伝え合います。
それがもう…尊くて…。
友情とかバディものに弱い人はきっと刺さると思うのですが、2人がお互いを大切に思う様子が最高なんですよ。
胸がじわりと温かくなります。
ちなみに一応シリーズものですが、ここから読んで特に問題ないかと!
シゲタサヤカ『いくらなんでもいくらくん』
絵本作家さんの中で私の最推しのシゲタサヤカ先生!
どれも良いんですが、ひとつ挙げるとしたらこれ。
突然現れた怪しいお店。
お殿様の命令で家来が店を訪ねると、中にいたのはいくらのおすし(!)。
何でも屋だといういくらくんを連れて家来はお城へ帰りますが…てな感じで、意味不明ですね。
シゲタサヤカ先生の作品は毎度強引で意味不明でシュール!
でもそれが最高に楽しい!
どこか厭世的な雰囲気が漂いつつも、最後はハッピーエンド(?)で、なんとなく前向きなメッセージがこめられているような気がしなくもない、そんなオンリーワンの世界観です。
ハマる人はめちゃくちゃハマると思うのでぜひ一度読んでみていただきたい。
『オニじゃないよおにぎりだよ』『わりばしワーリーもういいよ』あたりも入門におすすめ。
はたこうしろう『なつのいちにち』
こちらも大人にこそおすすめしたい!
暑い夏の日、家を出た少年。
目的は…クワガタをとるため!
夏の小さな冒険に胸が熱くなります。
読む人ごとに違う、夏の記憶が思い起こされるのではないでしょうか。
とにかく夏を鮮やかに切り取った絵が素敵!
これを書いていてびっくりしたのですが、まさか20年も前の作品とは(ふつうに2020年代の作品だと思って読んでた)。
また、上手く言えないんですが、オチが夏!って感じで爽快ですっごく良いです。
中川ひろたか『ふねなのね』
最後に一番紹介したかった『ふねなのね』!!
私はこの作品を読んで絵本沼に落ちました…。
とにかくつかみどころのないシュールなお話で、段ボールを船に見立てて遊んでいたと思ったら、なぜかワニに遭遇、そして最後は川へ…?という、
書いていて本当に意味不明なのですが、そこが癖になる作品です。
この良さは読んでみないと分からないので、ぜひ一度お手に取ってみていただきたい…!
この『ふねなのね』を含む「First Book Series」を始め、中川ひろたか先生が文を担当された作品はどれもちょっと視点が変わっていて面白い作品ばかり。
一時期めちゃくちゃ読み漁りました…。
おすすめです!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
元々『ふねなのね』以降ちょこちょこ絵本も読んでいたのですが、『きみにありがとうのおくりもの』『なつのいちにち』の2作に出会い、これは絶対布教せねば!!という気持ちになったので記事にしてみました。
普段少女漫画とラノベの話ばかりしているブログなので、初めて絵本の紹介をしてみてドキドキしています…(笑)
絵本好きの大人が増えますように!