六つ花えいこ先生の『彼女と彼の関係』読みました。
最っ高じゃないですか!!!?
ということで感想書きます!
感想!
最強のリアルカップル
突然始まるお見合いもの(と私は呼んでいる)ですが、いや~~最初から2人の相性良い感じがとても良いですね。好きです。
何より、深く考えずにぽんぽんと飛び交うテンポの良い会話が、リアル高校生カップルぽくて!
関東民なためどちらの方言か分からないのが残念なのですが、よく見る大阪弁?京都弁?とはちょっと違う、おそらく関西方面の方言がなんかめちゃくちゃきゅんとします。
夏帆ちゃんの言葉を借りると、同じ方言で会話しているからか、最初から「線の内側」にいる感がすごくするんです。
なんかちゃんと砕けているというか…。
(夏帆ちゃんたちと同じ方言を操る方には「そこ?」っていう感じだと思うのですが!)
理想的な恋愛模様が…
そして、「付き合ってみる」と決めて、ちゃんと「お互いを大事にしよう」と思えるのが、2人ともまっすぐな良い子なんですよね。
並の高校生だったら、「お試し=遊び」「本気じゃないから何をしてもお互い傷つかない」ととらえてもおかしくないところなんですが。
いや~~、夏帆ちゃん、一歩間違えば大事故だったけど、結果として良い人引いたのでめちゃくちゃ持ってるなー!
逆にお試しだからとお互い振り切って、最初から「好き」「大切」を出していく感じがね…もうすんごい好き。
本当に仲良しでお互いを大切にしていて、2人まとめて愛おしくてたまらない。
読みながら、すべての恋がこうであればいいのに…と思ってしまいました。
すれ違いシーンがしんどい、最高
そして最高の疑似両想いパートから、すれ違いパートへ。
何を隠そう私は、「もう付き合っちゃえよ」系の幸せ両片想いよりも、「すれ違いで一回ガチで失恋しかける」系のしんどい両片想いが大好物…。
六つ花えいこ先生の他作品も大変楽しませていただいていますが、「との関」はとりわけ最高でございました…。
ボロボロに泣きながら読みました…。
クリスマスの噛み合わなさがね!!本当にやばくて!
拓海くんはこれ以上どうすれば良かったんだ…。可哀想…かわいい…。
ピュア恋警察なので、夏帆ちゃんの謎のエロネタはくどいなぁと思っていたのですが、こう繋げて来るとはなぁ…!
確かに、しっかりお互いを大切にしている2人が、夏帆ちゃんの好き避けだけですれ違うのはやや弱い。
あのくだり抜きでクリスマスの大喧嘩をしたとしたら、「話の盛り上がりのために無理やりすれ違わせている」と感じてしまい、あまり盛り上がれなかったと思います。
そうなんですよ、ガチすれ違い両片想い大好きなんですが、お互いが「自分だけが好きだ」と思い込むにはある程度ちゃんとした根拠がないとダメなんです。
単に鈍感系主人公かまされても、読者は両思いなの分かっているので全然感情移入できないんですよ。
「との関」では、夏帆ちゃんの側が本気で「拓海くんから疎まれている」と思っている、ということが読者も十分理解できる。
だからこそ、この最高のすれ違いが実現しているわけです…!

にしても夏帆ちゃん意固地すぎ…!(笑)
夏帆ちゃんは本当に狙っていないのか?
そして夏帆ちゃんの悪い癖…本当に狙ってやっていないのか??という話なんですが(笑)
個人的には、本気の天然発言だなぁと思えました。
というのも、全体的に夏帆ちゃんの話し方って省略が多い。
主語や目的語を抜き、動詞だけで話していることが多くて、これが意味深に聞こえちゃうんですよね。
エロワードって要するに隠語で、短い言葉に別の意味を見出してるわけですから、聞く側の心が汚れていると全部そういう風に聞こえるっていう(笑)
作中ツッコミ入ってないけど、最初のポニテのくだりも「髪ゴム」と言いそうなところをわざわざ「ゴム」って言ってるし…。
全体的に言い回しが大雑把で省略が多いんです。

生卵を「生」って…居酒屋入ったおじさんじゃないんだから…
あまりに省略が雑
あとは、知識のなさによって、NGワード回避できていないこと。
全く別作品で、性知識を得た女の子が、世の中にエロワードが飛び交っている…!と目を白黒させるシーンがあるんですけど(かぐや様ですが)、まさにそれだなと。
世の中、エロワードと解釈できる単語が多すぎるんですよ(笑)
というわけで、ちゃんと、「分かってやってる」とは思えないところも好きです、という話でした。
でもワードチョイスは気を付けようね…!
(このままいくと大学で嫌な思いしないか心配…)
横で進展してる恋模様がめっちゃ良い
話は変わるのですが、ちょいちょい挟まれる心ちゃんと嘉一の恋模様、めちゃくちゃ良くないですかー?
ぶっきらぼうな嘉一側が、甲斐甲斐しく餅用意したり逆チョコしてるのめちゃくちゃきゅんとするんですが…。
全然長い作品じゃないのに、主人公カップルだけの狭い世界じゃなくて、脇役たちの人生を感じるのもすごく好きなところ。
それでいて、主人公カップルを食ってしまわないさじ加減も素晴らしい。
実際のところ2人がお互いをどう思っているのか気になりすぎるなー。
ていうかお重いっぱいに美味しいご飯を詰めてきてくれる人、男子だろうが女子だろうが、好意あろうがなかろうが最高。
逆チョコ最高
話は戻って、最後の逆チョコ最高ですよね!??
逆チョコ大好き勢なので、不意打ちで来てテンションあがりまくりました。
バレンタインに男子側がお菓子作るのって、ノーリスクハイリターンだから全国の男子高校生が真似するべき!(笑)
まず、女子側は男子からもらう発想がないからめちゃくちゃ感激するし、もし「バレンタインに告られなかったら自分から告ろう…!」と思っているライバルがいたら出し抜ける。
(その点バレンタイン前にちゃんと自分から告った松木くんは立派!でもどんまい!)
さらには、攻守逆転の発想により、バレンタインにチョコをもらえるかどうか気にする必要がない…!と、いいことずくめ。
仮にお相手もチョコ作ってきてくれていても、2人で交換すれば良いだけだからなんにも問題なし!
何回くらっても最高なので、もっといろんな作品で逆チョコ取り入れて良いと思うなー!
拓海くんありがとう!
ところで六組女子無理すぎ
最後におまけで…六組女子が割とまじできっついのですが私だけでしょうか…。
柄悪いけど気は良いやつら!的な感じと思っていたら、割とふつうに残念な人々で、素晴らしい作品だけにこういうのいらんなと…。
夏帆ちゃんが勘ぐっている、拓海くんのことを好きな女子…もどうなんでしょうね~。
夏帆ちゃん目線の描写とか、夏帆ちゃんと別れた後のあれとかを見ると、確かにそうなのかもな~とも思うけど、拓海くん目線だと割と全然ねーわっていう…。
ここ、拓海くんが鈍感系主人公というわけではなく、シンプルに認識の相違があるところが面白い。
仮に拓海くんに気があったとして、あのきっついだる絡みな…。
好きな子いじめの類かもしれないけど、高校生にもなってやることじゃないし、共感性羞恥できつい…。
こんな残念なモブがいなくても夏帆ちゃんの素晴らしさは伝わるので、やはり全くいらんと思う(笑)
名前すら与えられてないモブにいろいろ言っても仕方ないけど…。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
最高すぎたので、ずっと放置していた名刺代わりの小説10選を更新しました。一生好きです!