PR

【ネタバレ感想】『ショーハショーテン!』7巻が傑作だった。愛せる。

【ネタバレ感想】『ショーハショーテン!』笑甲編前半 少年漫画・青年漫画
少年漫画・青年漫画
この記事は約12分で読めます。
らぶっく読書感想部はアフィリエイトプログラムに参加しています。

遅ればせながら『ショーハショーテン!』7巻読みました。
最高すぎますね。周回が止まらないので感想書きまくってガス抜きします。

というわけで6巻含め、笑甲編前半の感想です!

えしゃ
えしゃ

ネタバレ注意です!!!

スポンサーリンク

笑甲編感想!

いわしつよし回!

泥谷とかガラ靴のことも書きたいのですが、まずはいわしつよし!!!

7巻で惚れました!大好きです!

焼き芋定食先輩かっけー!!!

いわしつよしについて書く前にどーーーしても先に言いたいのは、いわしつよしの2人の大切な先輩が、めちゃくちゃかっこいい考え方の持ち主だということ。

「〇〇っていうことは、〇〇ってことなんだ」
これ。この考え方が痺れる。

口頭で言われるとよく分からないと思うんですが(2人も最初はピンときてない笑)、噛みしめるとこれすごい言葉ですよ。

ネガティブな内容に対しては、「何か理由があったとしても」悪いことをしたら、それは悪いことをするやつ。ということ。
言い訳の余地がない。

逆に良いことについても同じで、過程が何であっても勝ったやつは勝ったやつ。

これって要するにすごくシビアな結果主義なんですよね。

そこがお笑いを目指す人っぽくてすごく良いなと。
どれだけ努力したか、どれだけ想いが強いか、そういうことは関係なく、本番で笑いをとれるかどうか!それだけ!っていう。

確かに他のどんな分野よりもお笑いがシビアな気がする…

いや~~かっこいいほんと!
これはバイト先の後輩に懐かれるのも分かる。

絶サン許さない…だけど

で、それを受けて…絶唱サンドバック、ほんとなんなの…?
背景を知っている方に肩入れするのは当たり前かもしれませんが、それにしても許せん。

イジリと意地悪で上り詰めるってなんなんだよ、みんな頭腐ってるのか??

…と読者として当たり前に憤る気持ちがある一方、昨年の決勝のシーンを読むと毎回背筋が寒くなります。

実際この現場に遭遇したときに、私は、本当に、笑わずにいられるのかな…って…。

いえ、誓って面白いとは思っていません。1ミリも。
不愉快100%怒り200%です。

ただ、この芸が世間に受け入れられているっていうのは、やはり顔のきれいな1軍男子が、ぱっとしない3軍男子を笑うのは仕方ないことというか…、納得感というか…、そういう空気があるんだと思うんです。

自分だけがその空気にのまれないと思う理由はありません。
そこまで自分が真っ当なのかどうか自信がない…。

でも、こういうときにつられて笑わない人間でありたいと、強く強く思います。

いわしつよしが可哀想でかっこよくて最高

その昨年の事件で一番可哀想だったのは、実はいわしつよしの2人なんじゃないかと思っています。

誰しも自分のことなら割り切れても、家族や親友が傷つけられたら怒りますよね。

彼らの地元がどこかにもよりますが、地方の高校生がわざわざ大阪まで出て来るって相当なことですよ…?
彼らにとってめちゃくちゃ大事な人なんですよ。

そんな大事な先輩の晴れ舞台を応援することすらできず、ただ笑い者にされるのを見せられるって相当辛いと思います。

最後に先輩に追いすがる望月くんが可哀想で…も~~~愛おしくてたまらない。
さらにその後陽キャにキレてボコられる望月くんもな…生き方が不器用で好き。

ここで大事なのが、絶唱サンドバックに直接文句を言いに行こうと決意すること。

SNSでバキバキに悪口書いて炎上させる、みたいなやり口じゃないんですよ。
やったこともない漫才で真正面から倒そうとするんです。かっけー!

つまり、先輩の教えがちゃんと2人に根付いているんですよね…!
ここめちゃくちゃぐっとくる。

ちなみに5軍とか言ってるけど、尊敬する先輩がいて、同じ気持ちで頑張れる相方がいる高校生活、完全に勝ち組だからな!!

えしゃ
えしゃ

あとクレイジーなネタもシンプルにすごく好きで、いわしつよし回だけ何度も何度も読んでる(笑)阿多古のツッコミ好き。

ガラ靴回!

さて、話は戻りますが、ガラ靴も良かったですね!!!

回想が良かった

ひまわりちゃんが思った以上に手が付けられない問題児だったんですが(笑)、それを全部受け止める凛ちゃんが尊い。

特にトロフィーのくだりがすごく良かった。

優秀な兄姉に比べて自分に価値がないと思っているひまわりちゃんの、ほのかな絶望に胸が苦しくなりました。

そしてその後の、2人でトロフィーをのぞき込んで遊ぶシーンが、うまく言えないけどめちゃくちゃ好き。
2人の間の穏やかな時間がとても良いと思って。

えしゃ
えしゃ

ところで、トロフィーを見るに地元は佐賀っぽいけど、前説でいじられてた佐賀県民は深雪先生なのかな…

ネタが最高だった

旗当番、単純にネタがめちゃくちゃ面白いのもそうなんですが、ラストの田中オラトリオのくだりがすんんんごく良かった。

最後に凛ちゃんがまっすぐ進めと語りかけるシーン、いいですよね。
ひまわりちゃんへのエールであり、大人への反抗であり、偽らざる本音のメッセージなのに、ちゃんと爆笑ネタになってるっていう。

ただネタを使って未成年の主張をしても面白くないんですが、ちゃんと笑えるネタになっているのが素晴らしい。

今までのこととネタがぴたりと合わさって、彼女たちが今光の当たるところにいるということに泣きそうになる、素晴らしいシーンでした。

あんなネタができたら、きっと気持ち良いだろうなぁ。
まさかの高得点も納得の出来栄えでした。

ぶるーたす回…!

そして7巻は泥谷…!私は信じていたよ!
すみません嘘です(高速撤回)。

泥谷の気持ちは分かった

4巻の太陽の回想の時点では、泥谷のことは全く信じていませんでした。
太陽は「誰も悪くない」って言ってるけど、さすがに泥谷ここから挽回は厳しいだろって。

信じてない8割、誰も悪くないといいなぁ願望2割で、要するに泥谷のことはちっとも信じていなかった。
(強いて言えば「お前すぐゴホゴホするし」はやや引っかかっていたが、これだけで悪いやつではないとは判断できなかった…)

しかし…これは…なるほどなぁ。
悪いやつではないということが無理なく理解できました。

泥谷の行動の理解

とは言えやはり、朔の亡くなる直前の泥谷の一連の行動はないと思う。
あからさまにやる気ない様子を見せたり、解散が決まったら急に無茶な練習を強いたり。
そしてもちろん、血を吐いて倒れた朔を置いて逃げたのも。

でも、どんなに好きな習い事とかでも、一時的に面倒になってサボりたくなることってあると思います。

あのときの泥谷はたぶんそれで、笑甲3位になった燃え尽き症候群でもあったのかもしれないし、加えて「かったるそうにするのがかっこいい」と思うお年頃でもあり、
いろいろな要因があって、たまたまちょっとひねくれているタイミングで、相方が急逝してしまった。

全部泥谷が悪いんですが、運も悪かった。

やったことは肯定できないけど、きっと朔がふつうに生きていれば、そのうち泥谷もやる気出して、仲直りして元通りになったんじゃないかなと思います。

無茶な練習については、朔が楽しかったならそれでいいのかなと。
外野がいろいろ言うことじゃない。

倒れた朔を放置したのはいただけないですが…小心者の高校生ならまぁありうるかなと思います。
さすがにあれが寿命を全く縮めなかったとも思えないけど…(そもそも余命宣告済み?で、ギリギリまでふつうの生活をしていたのが悪い気もするが…)。

そういう、本当は悪い子じゃなかった泥谷が、過去を死ぬほど後悔して、それでもお笑いをやるために徹底的にヒールとしてふるまっていた、と。
今までのことにすべて納得がいきました。

やはり浅倉先生が天才

いや~~まさかちゃんと話が繋がった上ですべてがひっくり返るとは…浅倉先生すごい。
しかもご都合主義の無理のあるどんでん返しでも、単なるお涙頂戴でもないのが本当に好き。推せる。

すべてが繋がったときの回想、ここでてっ太の心の声入れて来るのか…とぶっ飛びました。上手い。
そうだった、てっ太の言葉は額面通り受け取ってはいけないんだった…。

最後に、泥谷が可愛らしい坊ちゃん姿になって、涙流して爆笑しました。
アホな読者だから全然気づかなかったんですが…嫌悪感てそういうことかよ!
一周回って可愛いやつじゃん!笑

新田がとにかく良い

そして、今回の隠れMVPが泥谷の相棒の新田。
新田…かっこいいのはお前だよ!!

先に書いたように泥谷信じてない10割で、新田もそれなりにやべーやつなんだろうなと思って読んでいたので、
始まった回想で「あれ…ふつうにいい話…いや私は騙されないぞ…いやでも…」みたいになりました(笑)

病死した相方を「殺した」と吹いてる転校生の心をこじ開けて、どんな発言も「かっこいい」の一言で肯定して、なんなんだ、こいつ人生何周目なんだ…?
人間ができすぎている…。

「俺も本当のことを知ってる」で泣きそうになりました。
全部分かってそばにいたんだなぁ。強い…。

泥谷の吐血作戦、本当に実行しようとしたら新田がちゃんと止めたのではないかと思います。
し、本当にそこまではやらないと泥谷のことを信頼していたのかもしれない。

これだけの要素をまとめ上げるのがすごい

さて、他の記事でもちょこちょこ言っていますが、私回想嫌いなんですよ…。
正確に言うと、回想がつまんない作品が苦手。

回想はとりあえずトラウマ話しとけば良いみたいなところあるじゃないですか。
本編が良くても、回想が薄っぺらい作品は感情移入できないし、中身のない回想なら要らないな~って思っちゃう。

しかしそんな回想嫌いの私でも、こんだけ回想挟んでいるのに笑甲編めちゃくちゃ面白い…!

前半だけでガラ靴、いわしつよし、ぶるーたすで3組ですよ。
多すぎ。

それぞれの物語が完全に独立していて交わらないし、単独で1エピソードくらい重い話を、全部笑甲編にぶちこんじゃってる。
ふつうだったらまとまりのない話になると思うんですが。

しかし、これは、、、、良いな!!!(単純)

何が良いって、回想にパワーがあるんですよ。
そして、それぞれの過去がネタに繋がっているのがとても良い。

ガラ靴は周囲から理解されなかったことをぶっ飛ばしてネタに昇華するし、いわしつよしは絶望と怒りを徹底的にネタにぶつけるし、ぶるーたすは過去を跳ね飛ばして輝くし。

また、笑甲という舞台の力もあると思います。

この舞台にあがれるのは日本で10組だけ、つまり全員選ばし者なわけで。
そんな彼らに物語がないわけがなく、だからいちいち回想が挟まれても不自然じゃないんですよね。たぶん。

そして、それぞれちゃんとネタに繋がっているので、話の腰を折っている感じがないのも良い。
いわしつよしのネタが太陽の背中を押しているのも良い演出。

総じてすごく良い。
こういう回想なら大歓迎です。

今後の展開…

さて最後に笑甲編後半の予想など…。

たぶん絶唱サンドバックは反省しない

いわしつよし推しなので、絶唱サンドバックはボコボコにされて再起不能になってほしいのですが、まあ、そうはならないんだろうなと思います。

まず、彼らがどれだけ本気で漫才をしているのか知らないですが…

アドリブを入れるって、よく考えると結構リスキーだと思うんですよね。
テンポが乱れるし、元の流れに戻れるかも分からない。
うまくいったとしても規定時間を大幅にオーバーしたり客が嫌悪感を抱いたらアウトなわけで。

それでも焼き芋定食をイジったのは、目の前に「面白いネタ」を見つけて、笑わずにはいられなかったということ。

根本的に、人を下げて笑わないと生きていけない卑しい人間なんですよね。

ちょっとやそっとじゃ性格は矯正されないし、例えいわしつよしがボコしても、畦道がボコしても、最初から自分たち以外を下に見ているから何も感じないんじゃないかな。
まともに傷つける感性もないんじゃないかなというか…(悪意しかない解釈)。

泥谷と違って、ここはさすがに、彼らにも想いがあって~的な回想が始まったらげんなりしますね…。
安心と信頼の浅倉先生なので、絶対そういうがっかり展開にはしないでくれると思いますが…。

笑甲後半の展開

前半の回想良かったのですが、とはいえこれ以降も同じペースでやられるとさすがにテンポが悪いので、回想は後半はそこまでやらないのかな~と思っています。

ぶるーたすは、この後どうなるかですが…。
なんとなく、この流れでガラ靴を破るとちょっと出来過ぎ感があるのではないかとは思います。
一歩及ばず敗退、だけど悔い無し!な2人が見たい。

牛丼は潤滑油ポジな感じがするので、ここでは掘り下げる必要はないのかなと。
昇竜魚みたいに無難に終わりそう。

シュプレが微妙。
ふつうに考えたら、すでに回想はやっているので、波乱なく気持ちよく漫才して終わりかなぁ…と思うんですが…。

ここまでがとにかく熱かったので、無難に終わったコンビがトップになるとと盛り下がるし、
一方シュプレも読者が思い入れのあるコンビなので、ここでシュプレがあっさり敗退すると微妙な空気になるし、となるとまた回想込みで熱い展開になるのかな…とか。

次は柴犬とライジン…うーーーん、どちらも気になるけど、ここまであまり前振りがなかったし(いわしつよしは「絶サン潰す」の流れなので意外と唐突ではない)、1年生コンビだし今後にまわして良さそう。

天片は、泥谷問題も解決したし、久々に2人が大ウケするところが見たいですね。

ただ、6・7巻で影が薄かったので、個人的には気持ちがかなり天片から離れてしまいました(いわしつよし好きすぎ)。
主人公というだけであれらのコンビの上に立つっていうのは、もうかなり厳しい気がしています。

絶サンは滑り散らかせばいいのにと思います。

ちなみに、これって同点の場合どうなるんですかね?
面白い展開になるなら、同点も1回くらい挟みそうな気もします。

みずはちゃん

最後に、ついに出てきましたみずはちゃん。
美少女…!

「最後に出るコンビ」が意味深ですが、ここはぜひ、絶唱サンドバックのことではないと思いたい。

お笑いのことよく知らないんですが、確か優勝したコンビって最後にもう1ネタ披露したりするんですよね?
それが「最後」ということでは?

要するに「私の大切な人が優勝するんです」という強気発言なんじゃないかと考えています。
そう考えると、すでに敗退している昇竜魚といわしつよしを除く、どのコンビを指していてもおかしくないのかなと。

そもそも絶唱サンドバックと知り合いというのもな~~どうだかな~~~。
みずはって名前は確かに珍しいけど唯一無二とまでは思えないし、同一人物でも別人でもおかしくないんじゃないかなと思うんですが。

少なくともゲスエピソードは全部ネタだと思ってるので、絶唱サンドバックが大切な人である可能性は低いのかなと思う。思いたい。

おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
笑甲編盛り上がりすぎてるので、ここで完結じゃないかだけが心配です。

プロフィール
えしゃ

えしゃ(@shallot0147)と申します!
・ラブコメ好き。少女漫画とラノベが大好きです!
・雑食&乱読
・好きなジャンル:ラブコメ、広義のミステリー、ローファンタジーなどなど
・愛読書:辻村深月『名前探しの放課後』
・推しキャラ:佐藤こはる(塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い)

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました