単巻ラノベという概念をご存じでしょうか。
「1巻で打ち切りになっちゃったラノベ」のことではなく、最初から1巻完結で出版されている(と思われる)作品のことです。
この単巻ラノベ、基本的に良作揃い!
その中でも特に私のおすすめ7作品をご紹介します。
単巻ラノベって内容が濃厚で満足度が高い上に、1巻だけだから気楽に手が出せて、しかも打ち切りの心配もなし!入門にもおすすめ!
おすすめ単巻ラノベ7選!
大澤めぐみ『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』
シンプルな青春群像劇。
4人の男女の物語からなる連作短編形式の作品です。
感動するとか泣けるとか、そういう作品ではありません。
でも、淡々とつづられる高校生たちの日々が、押し付けがましくないからこそ逆に心に響いて、私は大好き。
読み終わって、素直に良いもの読んだなーと思えます。
タイトル通り別れのお話でもあるので、春に読むとより沁みるのではないかと!
また、内容的にはしっとり系に分類されると思うのですが、全体的にテンション高め。
この良さは実際に読んで感じていただきたい。
大澤めぐみ先生特有の、心の声垂れ流し文章がめちゃくちゃ癖になるんですよ。
とっ散らかってるのになぜかするする読めちゃう不思議。
野宮有『どうせ、この夏は終わる』
次は夏の話です。
こちらも群像劇ですね。群像劇好きなので…。
地球最後の夏休みを、高校生たちが全力で過ごす!な作品です。
作中、世間の高校生たちは、受験勉強の不安も将来の期待もなく、ただその時が来るまで時間を潰すような生き方をしています。
高校生だけでなく、大人もみんな、未来から目をそらしてただその日を楽しくやり過ごしているよう…。
その中で、様々な理由で「やりたいことやってやるぜ」と奮起した高校生たちの夏が描かれます。
これがもう、良い!熱い。
内容も、真面目なものから下らないものまで様々ですが、全員が全力を尽くして、そして楽しんでいるのがとても素敵。
ちょっとネタバレになりますが、バッドエンドにはなりませんので、青春小説好きならきっと後悔しないはず!
特殊設定の青春小説として手に取ってもらえたらなと!
石川博品『冬にそむく』
春・夏と来ましたが、秋は飛ばして冬です。そして四季シリーズはここで終わりです(笑)
『冬にそむく』は、なんというかまあ、傑作です。
全体的にローテンションで独特の雰囲気があるので、序盤は爛れた関係…?不純愛もの…?とか思うかもしれないのですが、全然そんなことはありません!
雪の中で出会った2人が、お互いを大切にしあう物語です。
常に軽口をたたき合う仲の良いカップルでありながら、お互いが大切だということをストレートに言えるところもあり、もう、尊い…。
青春小説というよりは恋愛小説ですかね。
愛が力になる、そんな希望のある作品です。
岡本タクヤ『僕の学園生活はまだ始まったばかりだ!』
単巻ラノベ、いわゆるしっとり系の作品が多いのですが、コメディもあります!
今回紹介した中だと、こちらの作品だけめちゃくちゃ下らないコメディです(褒めてる)。
主人公とヒロインが学園のお困りごとを解決するという、筋書き的にはよくある話なのですが、ま~~これが楽しい。
はちゃめちゃな部活たちの相談を、とにかくハイスぺ(性格は難あり)な高橋くんがばっさばっさと解決していくのが爽快!
テンポの良いドタバタコメディなので、ゲラゲラ笑いたいときにぜひ。
田中ロミオ『AURA〜魔竜院光牙最後の闘い〜』
ラノベ好きなら一度は読んでおきたい名作!
重度の中二病で中学校生活をふいにした魔竜院光牙(笑)こと佐藤。
同じ失敗を繰り返さないため、中二精神を封印して高校デビューしたはず…なのに、バキバキの現役中二病患者に絡まれてしまう…。
あらすじだけ見るとコメディかな?って感じで、確かにノリはコミカルなんですが、割と…重めの…青春小説です。
スクールカーストなどの描写がリアルで、自分の経験と重なってしんどい人もいるかも。
でも、そこから辿り着くラストが素晴らしく…。
現役の学生さんも、昔学生だった人も、きっと刺さるのではないかと思います。
王道の青春小説です。
駄犬『誰が勇者を殺したか』
次はちょっと変化球で、ファンタジーミステリー。
ミステリー好き視点で見ると、犯人探しがまさかの方向に…!?っていう、たぶんみんな好きなやつ。
しかしただのミステリーではなく、勇者と彼を愛した人々の絆、それぞれの想いが丁寧に描かれた温かい作品です。
ミステリーやファンタジーが好きな方はもちろん、普段そういったジャンルを読まない方もきっと楽しめるのではないかと。
入り組んだ世界設定やカタカナ用語などは意外と少なく、文章もきれいで読みやすいです。
(追記)ごめんなさい、よく調べたら公式で2巻制作のアナウンスが出ていました…。内容的に単巻とばかり。本当に2巻出たら差し替えます!
宮入裕昂『スカートのなかのひみつ。』
最後は、私の最推しラノベを!
青春群像劇の傑作です!
いかがわしいタイトルとちょっと色気の漂う表紙ですが、中身は爽やかな青春小説です。本当です。信じて…(必死)。
八坂幸喜真と丸井の2人を中心にした二つの物語が並行して語られ、最初は読みにくいかもしれないですが、二つの物語が重なる瞬間の興奮といったら。
そして、それぞれの物語で中心となる八坂と丸井のパワーがすごくて…!
とにかく元気をもらえる作品です。
雑にまとめると「良い話」なので、笑って泣きたい方におすすめ!
最後はもちろんハッピーエンド!
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ちなみに「単巻です!」と宣言する作品はあまりないので、もしかすると実は1巻打ち切りのものもあるかもしれないです(^^;)
ただ、紹介した作品はどれもきれいにまとまっているので、実は打ち切りだったとしても単巻でじゅうぶん楽しめると思います!ぜひ!